【d!】夏暁【短編】 (ページ8)

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午前二時_tn ページ8

頭に違和感。どうやら撫でられているらしい。
大きな手は優しく頭を撫で、彼は私のおでこにキスをした。
瞼、頬、鼻、そして唇。
ボヤボヤと意識が浮かんできて、私はうっすらと瞼を開ける。

「……トントン？」
「すまん、起こしたか」
「いいけど…トントン明日も仕事でしょ？早く寝ないと辛いよ？」
「なんか、触れたいなって、すまん」

仕事なぁ、なんて言いながら私の体のあちこちを撫でてくる。
くすぐったいけど眠い、瞼が落ちそうになるのを堪えてトントンを見る。

「うちの奥さんは可愛ええな、寝惚けとる顔もすっぴんも可愛え」
「んー？」
「開ききってない目も可愛えで」
「……眠れないの？」
「んー、そやなあ」
「じゃあ、お話ししよう」
「おん」
「ふふ……今日は楽しかったね、あ、昨日か」
「時間的に昨日やな」

昨日は久しぶりに休みが合って、二人でゲームをした。
公私共に忙しいトントンは結婚してからも二人でゲームする時間がないほど忙しく、すまんなって言いながら部屋に籠る。
一人、旦那さんが出ているゲーム実況動画を見ながらリビングでお酒を飲む、なんて日々。
想像できる？めっちゃ寂しくない？
だから昨日は二人でゆったりマイクラしながらお喋りして、洞窟入ってゾンビ倒したり、マグマダイブして物資溶かして二人で笑い合った。

「毎日仕事に編集にお疲れ様」
「いつも相手出来んくてすまんな」
「いいよ、わかってる」

。