ep160 【CY Side】 ページ10
【CY Side】
A「私達、もうやめにしませんか？」
その言葉を聞いた瞬間
ボロボロと何かが崩れていく音が聞こえた。
聞きたくなかった。
でも言われるだろうと思ってた。
本当は過去の自分をリセットしたいだけじゃなくて
俺から離れていくAを見るのが怖かったんだ。
やっと見つけたAを
俺のことをちゃんと見てくれたAを
傷つけてしまったのは自分なのに
離れてしまうのが
嫌われてしまうのが
怖くて怖くて仕方なくて
そんな現実と向き合う勇気なんか
どこにもなかったんだ。
だから今、Aが
やめにしようと言った言葉を
聞きたくなかった言葉を
受け止めることなんかできないのに
それなのに…
CY「…っ…」
ねぇ…
どうして、Aが泣いてるの…？
A「先輩っ(泣)」
CY「……？」
俺のこと、怒ればいいのに
俺のこと、嫌いになればいいのに
Aが泣くなんか必要ないよ
A「もう、やめてください(泣)」
CY「……」
A「過去のことを引きずるの、やめてください(泣) 自分のことを責めるの、やめてください(泣)」
CY「……」
A「1人で抱えるの、やめてください(泣) いなくなろうとするの、やめてください(泣)」
俺のそばから離れれば
もう関わらなければ
こんな風に泣くこともないんだよ
Aが傷つくことはないんだよ
悲しむこともないんだよ
Aは笑ってなきゃ
幸せでいなきゃ
そのためだったら俺
何でもするから
俺が邪魔なら
Aの前から消えることもできるから
ねぇ、Aはどうしてほしい？
俺に…
A「私のこと、ちゃんと見てください(泣) 私のそばにいてください(泣)」
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A「雨…降って来ましたね。」
CY「…うん…」
タクシーを降りてスーツケースを引きながら
マンションのエントランスに入る。
Aは髪や肩についた雫を払って
エレベーターを待ちながら階数表示を見上げている。
CY「…俺…」
A「ん？」
CY「…ミンソギ…ヒョンに…」
A「……」
CY「……」
ヒョンに何から話せばいいかわからない。
何から説明して何を謝ったらいいか
心が混乱してよくわからない。
エレベーターが付いて乗り込むと
あっという間にヒョンの部屋の階に着いて
Aは俺の少し前を歩いて立ち止まり
ゆっくりと振り返った。
A「“ただいま”」
CY「…ぇ…？」
A「…それだけでいいと思いますよ。」
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ちーちゃん - 私、これ読んだの三回目で結末も話の流れもすべて知ってるのに毎回感動して涙流しています続きが読んでみたいです (2017年1月9日 23時) (
レス) id: bff2f62f80 (このIDを非表示/違反報告)
kimsooyeon(プロフ) - 続きがとても気になります！！更新されるのを楽しみに待ってます！！！ (2016年8月3日 16時) (レス) id: 1088c592aa (このIDを非表示/違反報告)
りんか - 続きが気になります！おもしろいです(*^^*) (2016年7月24日 8時) (レス) id: 212c6186c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：natsu
| 作成日時：2016年7月6日 3時
