ep153 ページ3
「Aちゃんがそんなこと聞くなんて…ヨリのこと何も知らなかったの？」
A「……」
何も…
そうだよね
まさか先輩がこんな風に
行方をくらますなんて
少しも考えてなかった。
当たり前のように
戻ってくると思ってた。
A「…はい…」
…悔しいけど、そうなんだ。
先輩が何を思っているか
私は何も知らない。
チーフの方が知っているのかもしれない。
A「あの…」
「ん？」
A「……」
でもそれを聞くのは
私の、先輩の彼女としてのプライドが許さない。
たった数日離れただけで
私達は崩れるような関係じゃない。
そう信じたい、けど…
「ヨリは、やり直したいって言ってた。」
A「っ」
「生まれ変わりたい。全部、何もかもをやり直したいって…」
A「何も、かも…？」
チーフの言葉に、固まった。
やり直したいだなんて
そんなことを
先輩が考えていたなんて…
A「ぇ…」
まって…
少し、鳥肌が立つ。
だって、生まれ変わりたいって…
考え方によっては
最悪な結果になる。
ひどく疲れた先輩が
誰とも連絡を取らずに
行方不明になるなんて
それはまるで…
先輩がひとりで
ひとりぼっちで
どこかに消えちゃいそうな…
もう二度と会えないような
遠くに消えちゃいそうな…
そんな気がしたから…
A「っ、うそ」
先輩…
うそ…だよね…？
そんなこと、ないよね…？
「Aちゃん？」
最悪な結果が
幾度となく頭の中に浮かぶ。
消えてしまった先輩と
そんな先輩を前にして泣いている
ミンソクさんとルハンさんと…
「Aちゃん」
うそ
いやだよ
先輩
いなくならないよね？
先輩
「Aちゃん」
先輩
「Aちゃん！！」
A「っ(泣)」
電話越しの大きな声で、ハッとした。
気が付いたら溢れ出した涙が
私の頬にいくつもつたっていた。
「ヨリは、運命だって言ってた。」
A「……？(泣)」
「初めてだって。初恋で、初めて愛した人だって。」
A「…っ…(泣)」
「ヨリはすべてを終わらせたの。あなたのためよ。あなたを愛するために、過去の自分と決別したの。その覚悟がヨリにはあったの。」
A「け、決別…？(泣)」
「Aちゃん、あなただけなのよ。」
A「っ(泣)」
「あなたなら…ヨリの気持ちを…ヨリのこと、支えてあげられるんでしょ…？」
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ちーちゃん - 私、これ読んだの三回目で結末も話の流れもすべて知ってるのに毎回感動して涙流しています続きが読んでみたいです (2017年1月9日 23時) (
レス) id: bff2f62f80 (このIDを非表示/違反報告)
kimsooyeon(プロフ) - 続きがとても気になります！！更新されるのを楽しみに待ってます！！！ (2016年8月3日 16時) (レス) id: 1088c592aa (このIDを非表示/違反報告)
りんか - 続きが気になります！おもしろいです(*^^*) (2016年7月24日 8時) (レス) id: 212c6186c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：natsu
| 作成日時：2016年7月6日 3時
