〜エピローグ〜 ページ26
ぽかぽかと暖かい陽の光りを受けて、僕はゆっくりと目を開けた。
なんか、いつもより目線が低いような気がする。
僕は眠い目を擦ろうと腕を上に上げる。
「………ん?」
僕の腕は真っ白だった。
何が起こった!?
僕は顔を洗いに行くのと事実確認を兼ねて、手水舎に向かった。
「っ!?!?」
水面に映し出された自分の姿を見て絶句する。
なんと僕は、この神社に辿り着いた時と同じ白狐の姿に戻っていたのだ。
僕が妖狐の姿になってから深雪と出会い今に至るまでに一体何が起こったというのだ。
驚きの余りに手水舎の前に呆然と突っ立っていると、何処からか綺麗な巫女さんがやってきて僕に話しかけた。
彼女は、どこか深雪に似た雰囲気を纏っていて、思わず見入ってしまった。
「あら、貴方昨日の狐さん?
本殿の所で寝てしまったのよね、もう大丈夫よ。
猟師達は行ってしまったわ。」
昨日の狐………?猟師………?
なんでは僕の過去を知っているんだ?
そして、昨日、とは………?
「貴方、昨日の夜すごく疲れていたでしょう?
本殿ですぐに寝入ってしまったものね。
朝までぐっすりだったよ、一体どんな夢を見ていたのかしら。」
そう言って彼女は笑う。
ここで、僕はやっと気付いた。
僕が妖狐になって虐められていたのも、深雪と出会って花火を見に行ったのも、全て、『人間になりたい』という欲望が引き起こした、一夜の夢にすぎなかったのだ。
きっと、夢で見た深雪はこの巫女さんだ。
この本殿で眠る前に、ボンヤリと彼女の姿を見たのを思い出した。
そうだ、夢、僕は夢を見ていたんだ。
僕はあの儚い一夜の夢を思い出し、そっと目を閉じる。
そして、何も言わずに踵を返し、山へと戻っていった。
心の中であの巫女さんに、深雪に一言告げる。
彼女が別れ際に残した一言を。
終わり←〜第二十四話〜
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鳴子華 - 感想有難うございます!! 海の表現ね、あれ、いいですよねwww作者も好きですよwww 主人公……多分もhっふもふでーすwww 今度絵でプレゼントいたしますwww (2017年1月20日 0時) (レス) id: 69199f6a4e (このIDを非表示/違反報告)
夕薙(プロフ) - 飾り気のない、素朴で素直な表現に引き込まれました。個人的には海のところの色彩の表しかたがすごく好きです。人でないものが人のような感情を持ち、人間らしく振る舞い生きていく話最っ高に好みでしたありがとう!!!!そして主人公よ。モフらせてくれ (2017年1月19日 22時) (レス) id: 368eddf0c9 (このIDを非表示/違反報告)
鳴子華 - 感想有難う.+:。 ヾ(◎´∀`◎)ノ 。:+. まだ、この作品は終わっていません笑笑 これからも宜しくね( ´・∀・`) (2017年1月17日 20時) (レス) id: 02e1a31c8d (このIDを非表示/違反報告)
御師様へ - …純、ですなぁ。率直な感情にすんなりと物語に入り込むことができて思わず流れるように続きを読んでしまいました。その一方で物語の終わりが惜しく、つい慎重になってしまい……。とても良い話で、面白い物語でした。次に期待しています。 (2017年1月16日 19時) (レス) id: a0717e51ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鳴子華 | 作成日時:2017年1月15日 21時