夢現〜むげん〜

〜第十五話〜 ページ16

「人間とは少し違ったけど、それっぽい姿になれて嬉しかった！

でも、本当の人間とは見た目が違うからって、ずっと虐められていたんだ。『化け物』って。

人間になることを望んだ欲張りな僕への罰なのかな………。

毎日本当に辛くて、本当に辛くて、僕なんかいなくなればいいのに、って思った。

そんな時にね、深雪、君が助けてくれたんだ。

君はとても優しくて、君の笑顔はとても眩しかった。

不謹慎かな、境遇も僕ら二人似たような感じで、それすらも嬉しく感じたんだ。」

深雪は黙って、真剣な表情で、でも時々頷きながら聞いてくれた。

打ち明けられて、肩の荷が下りたようで、すっきりした。

「守くん、私達、本当に似ているね。

似た者同士、これからもずっと一緒にいられるかな………。」

「ずっと一緒にいたいよ、深雪。」

僕らはまた、顔を見合わせて笑った。

たったそれだけの動作でも、僕らの心を満たすのには十分すぎる程だった。

「………戻ろうか。」

どちらともなく手を繋ぎ、いつもの公園へと向かった。

公園に着くまで、手は繋いだままだったが、何一つ喋らなかった。

でもそれは嫌な沈黙なんかではなくて。

二人一緒のこの時を、離れてしまわないように、なんて願いながら確かめ合った。

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