56，気付いてしまった ページ12
Side me
私に差し伸べられた兄さんの手。
『もう離れることはない…』
なぜかとても魅力的な提案に思えた。
でも、兄さんは、呪詛師…？
『兄さんは今、幸せ？』
それは不意に口を次いで出た言葉。
流水「ああ、とても幸せだ。止水が来てくれたらもっと幸せになる。
もちろん、止水も幸せになるぞ。来ないか？」
幸せ…私も？
その時、あろうことか私は兄さんの手を取ろうとしてしまった。
『……だ』
流水「ん？」
『イヤだ』
呪詛師になんて、何があってもならない。もう、絶対に、揺らがない。
流水「なぜ？止水も――」
兄さんの言葉を遮って言う。
『イヤだ』
これじゃあまるで幼い子供。
『イヤだ』
それでも、口を次いで出てくるのはその言葉だけ。
『イヤだ』
なんで、どうして。声が、震えてる。
『イヤだ！！』
流水「止水？」
『……その名は、もう捨てた。私は』
私は――
『呪詛師になんてならない』
たとえ――
『あなたを、この手で殺すことになっても！！』
ああ、もう。本当になんて――
『最悪な世界』
世界は
いつだって、微笑みかけてはくれない。
いつだって、背中を向けているだけで。
いつだって、残酷で理不尽で不平等で。
いっだって、呪ってしまいたくなるの。
流水「そっか。なら、仕方ないね。
こんなこと、したくなかったんだけどな」
背筋が凍るような冷たい声。
次の瞬間、私以外の全員が兄さんによって攻撃された。
中には血を流し、意識を失ったり倒れたりしている者もいた。
『ぁ…』
――みんな、私のせいで。
『兄さん……？』
そっか。偽善、だったんだ。私を気にかけてくれたのは。
前世でも、今世でも。
だって、兄さんは私の大切な人を傷付けたりしない。
『もう少し、信じていたかったのにな。残念』
乾いた笑みを浮かべる。
流水「俺もだよ。止水が来ると信じていたからな。
とても残念だ。かつての妹を、手にかけるのは」
『その名はもう捨てた！そして、流水。呪詛師に堕ちたお前をもう兄だとは思わない』
そうだ。私は�猴観朖瓩任△辰騰犹濘絖瓩犬磴覆ぁ�
流水「好きにしろ。相変わらず、弱そうな体だ。そんなんで戦えるのか？』
『あらあら、光栄ね。私を心配してくれているのかしら。それはどうも。
たまたまソイツに気に入られただけだというのに、随分嬉しいようね。
ご立派だこと』
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莉緒 - 読ませていただきました！更新楽しみです!!作者様のペースで頑張ってください！ (2022年2月26日 8時) (
レス) @page13 id: e8a57b3ea6 (このIDを非表示/違反報告)
夏 - 雨中猫さん» ありがとうございます！ (2022年2月14日 11時) (レス) id: 5479bb3428 (このIDを非表示/違反報告)
雨中猫 - 更新ファイトです！ (2022年1月21日 15時) (レス) @page13 id: 4588060cb6 (このIDを非表示/違反報告)
夏 - かわあいさん» ありがとうございます！忙しいので更新頻度は低いのですが、気長に待ってもらえると嬉しいです！ (2021年11月16日 12時) (レス) id: 5987340fd1 (このIDを非表示/違反報告)
かわあい - 更新が楽しみ！！！ (2021年11月7日 18時) (レス) @page13 id: 173f9610a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏 | 作成日時：2021年9月25日 19時
