ゆっくりと蝕むように (ページ4)

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やってる役柄的に前髪があることがおおいからか、いつもよりふにゃふにゃした笑顔にみえる

「……ごめん、寝てた。」

自然にゆっくり智から離れようとしたのにきゅっと捕まれ離れるのを諦めるとその澄んだ瞳で

俺のことを心配してるのか、真意を知ろうとしてるのかそんな瞳をみて

さっきまでみていたよくみる夢を思い出す

最近思うことがあることが原因なのか緩やかに注ぎ続けられる白の夢をみる

「最近、忙しそうだもんな寝れてんの？」

「だいじょうぶ。心配してくれてありがとう」

仕事に響かせないようにはねむれているからだいじょうぶ

少しずつこの想いをじわじわと殺すのは時間が経つことと、新しいそれを見つけること

それとも相手が徹底的に俺じゃない人と一緒に幸せになれば諦められるのだろうか

「ならいいけどさ、まだ時間あるからねる？」

優しい声、ずるいひとだなぁ

毎日少しずつ、この想いを殺せてはいるが、その度に新たなそれをこの人に注がれる

「へーき。ちょっとそといってくる」

「おぉ、いってら」

すると、緩やかな拘束はおわり、
もうべつのひとのもとだ

やけに暖かくなってきた機構にうとうとしながら、日の当たるベンチで暖かなお茶を飲む

鞄を開くと、そこには小さな日記帳が鎮座している

ある時あったことを日記につけるようになったが、それとは別に

スマホのメモ機能にゆっくりと自分の思いの丈を綴ることをしていた

いつか、誰かに、形を変えてこの想いが伝わればいいのに

唄に、踊りに、小説に、ドラマに、漫画に、アニメに、映画になんでもいいから

フィクションをたくさん入れて、もっと歪な形になってもいいから

この歪んだ想いが人に伝われば消化されるかもしれない

唄でもない、それを今日の分を書き綴って

今思いつく、メロディを小さく鼻唄で奏でる

いかんせん、あまり自分で作曲は滅多にしないため

うまくいかず、もどかしいのはちょっと恋に似てるかも

人の気配を感じて鼻唄をやめる

喉をお茶で潤し顔を上げるとまーだった

俺だと分かって近づいてきたらしくさして驚くこともなく自然にここいい？と聞かれうなづいた

まったり太陽の暖かな光を浴びてあついお茶をのむ

きらきら、空気中のほこりが光で照らされて

俺のおもいよりゴミであるほこりのほうが綺麗だとなんとなく思った