みんな違って。3（Hikaru.I）

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｢え！ ほんとにすごい！｣

あの後クレープを食べて、ふっかさん得意のクレーンゲームをしてる真っ最中の私たち。


まあ、私は見てる専門で、今はふっかさんがくまさんのクッションを取ってくれてるところ。



｢おー、あと2回で取れそうね？｣

｢ほえ...｣


もはや、理解できない計算をしてるであろう彼の頭ってどんな構造なんだろう、なんて考えながら応援していたら目の端に映った見慣れた影。



｢...？ ひかるくん？｣

｢あー、Aちゃん、俺といんのにひかるの名前出しちゃうの〜？｣

｢あっ！？ いや、そうじゃなくて...！｣



気のせいかな、幻覚だろうな、なんて思ってクレーンゲームに目線を戻す。



｢え！？ ない...｣



台の中は空っぽで、ふっかさんがカメラにアピールしてた。

...いつの間に。




｢はい、どーぞ｣


好きなタイミングで使っといてね、なんて言って渡されたクッション。


｢あ、思ったより低反発｣


そこ！？ なんてふっかさんのツボに入ったみたいだけど、感想なんだからいいじゃん、なんてちょっと拗ねちゃう私。

...子どもだなあ。



｢あー、ホントじゃん。俺の車に置いとけば？｣



いきなり頭上から声がして、身体が硬直する。



｢え？ へ？ え、や、え？｣


あははっ！ 大混乱じゃん！ なんて笑ってるのは紛れもなくさっき見た幻覚のあの人で。



｢ひかる、来んの早いってえ｣


｢いや、時間通りだし、だいぶ我慢したわ｣




なんなの、2人は知ってた感じ...？



｢え...？｣



｢はい、じゃあAちゃん。俺との時間はここまでね？ 今からはひかるとだよ〜また後でね〜｣



なんて言い残して、ゲーセンから出ていくふっかさん。



｢え、？ ん？｣


｢今日は2人分のデートして、後で3人で合流しようって感じの企画。聞いてない？｣

｢...聞いてない、ですね｣

｢あれ、そうなの？ ま、いいや。時間なくなるし、早く行こ！｣




そう言って、私の手を引いてゲーセンを出るひかるくん。


少し歩いたところにはひかるくんの車が止めてあって、乗るように言われて大人しく乗り込む。


｢シートベルトした？ 椅子の高さは？ 車内温度大丈夫？｣

｢全部自分でできるし、ひかるくんの過ごしやすいように...！｣


｢なんかあったらすぐ言ってね？ 出発しまーす｣

｢あ、お願いします｣



...ってか、私どこに連れていかれるの？



｢着いてからのお楽しみ〜！｣

｢ええ、どこなんだろう...｣

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