みんな違って。3（Hikaru.I）

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｢んあ、朝や…｣

お仕事がお休みな今日。
いつも通りに目覚めてしまったのが残念な気もする。


てか、身体が動かない。特に足。


｢…は！？｣



ベッドサイドから上半身を預けて寝てる大男が1人。


｢え、帰ったんじゃ…？｣


まあもちろん、ひかるくんなわけで。


身動きも取れない中回らない頭をフルに回して考える。



｢お付き合いするって、こういう感じなのかな…？｣


携帯で日付を見れば、約束の2ヶ月がピッタリすぎる今日だからこそそんなことも考えちゃって。




一緒にいて、そりゃあたまにうるさーい！ ってなるし。

まだアスレチック行ってないし。

事故みたいな手繋ぎしかしたことないし。

女の子らしいところなんて全く見せられてないし。

最近やっと美容を学び始めた位の遅咲きだし。

世の中の女の子に比べたら可愛げなんて皆無だし。

女の子としてはきっと底辺レベルだし。

ひかるくんに似合うセンスも知性もないし。




｢だめだ、自信なくす一方だ…｣


考えれば考えるほど、天と地の差ってやつを目の当たりにしてる気がしてくる。


でもそれでも、変わらない事実があって。



｢なんだかんだ、すき…｣



それだけは変わんないな、なんて思いながらひかるくんの寝顔を見つめてたら、不意に合う目線。




｢…すきなの？｣


掠れた寝起きの声で言われると、ドキドキが止まんなくて。



｢い、いつから起きて…？｣

｢ん、Aが起きたあたり｣



だいぶ序盤じゃねえか。



｢ぐるぐる考えてるA見てるの楽しいよ｣



恥ずかしいからやめてくれ。



｢んで、何が好きなの？｣



｢家、帰ったんじゃ…？｣



｢眠ったAに名前呼ばれて、服の裾握られたら帰れないでしょ｣



｢とんだご迷惑を…｣



｢今日オフだし、平気。んで、何が好きなの？｣




話逸らしても、戻されて。




｢まだ、自分の中で自信がなくて。2ヶ月前より、少しは自信ついたのかもしれないけど、まだまだなくて｣


｢こんな状態で、ひかるくんのファンの皆さんに顔向けできないし、自分のせいでSnow Manさんの評判が落ちるかもしれないのが怖くて｣


｢自分の思いだけ、ないことにしたらどうにかみんな幸せに生きてられるんだって思い込んで、気付かないふりしてて、高校時代のお友達に怒られて｣



｢いろいろ面倒に回りくどく考えたけど、やっぱりシンプルにひかるくんが、すきで｣




好きだから、好きすぎて、どうしたらいいのか分からない。

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