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「お前、凄いな」
そう言われて、俯いてた私はふと顔を上げる。
岩本さんがニコニコして私を見ていて。
「…え?」
自分でも自覚できるほどの間抜けな声が漏れる。
「俺、正直舐めてた。そこまでじゃないと思ってた」
俺たち以上に努力したやつなんてそうそう周りに現れないと思ってた。
なんて言葉をかけられて。
「話が飛びすぎて、急で、そういうのに対応すんの苦手で。冷たくしてごめん」
「あ、いえ…」
「飯行って話さねえ?」
「いや、それは…」
「茂木ちゃん、ふっかさんとめめと行こうよ〜」
「あ、はい!」
つい、深澤さんだと安心してそう答えると、目の前の人の眉間に皺が寄って。
「…俺はダメなの」
「え、と、その」
ふたりが嫌ならふっかもあべも連れてく、なんて言われる始末。
「なんで」
「気になる、Aのこと知りたい」
「…え」
もう全然わかんない。
気になるってなんで? いつから?
今までとの変わりようは何?
「わかりません」
「ほら、照。茂木さん混乱しちゃってるよ」
「まあひかるは一直線なところあるからね〜」
「俺と飯。お願い」
茂木A。何故か岩本照さんに気に入られたようです。
「男性とのお食事はお断りしているので」
「じゃあ、喋るだけでもいい。楽屋でもいいし、廊下でもいい」
「いや、男性とは仕事以上に関わらないようにしてるので」
「家まで送る間だけでもいい。話したい、知りたい、Aのこと」
「ええ…、いや、その」
「照、今日は一旦終わろう? また今度仲良くなって誘いなよ」
「…佐久間がそう言うなら。避けないでよ」
「う、あ、はい…」
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作者名:なあちゃむ | 作成日時:2022年4月30日 0時