みんな違って。（Hikaru.I） (ページ16)

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「めっちゃすごいやん。地下アイドルでも全曲センターやし」

「他の人がセンターしてるより華が生まれるね」

「シンメ同士で側転してんじゃん！すげー！」

そんな思い思いの言葉で盛り上がるSnow Manのみなさん。

それが嫌で辞めたの。

耐えられなくなったの。

考え方が違ったの。

「茂木さん、アイドル楽しかったっすか？」

目黒さんがいつのまにか目の前にいて。

その言葉にびっくりして顔を上げる。

Snow Manみなさんが私の答えを待っていて。

アイドルは夢を見せなきゃ。

この人たちは今からが見せどきのアイドル。

夢与える言葉を選ばなきゃ。
私だって、一時期はアイドルだったんだから。

「…楽しかった、ですよ。もちろん！」

強調されるように語気を強めて放った私の言葉。

深澤さんにすかさずほんとは？なんて聞かれちゃって。

「俺らも楽しいよ。でも、たまに辛かったり、しんどかったり、今日はメンバーに会いたくなかったり、そんな日もある。人間だもん。茂木ちゃんは？」

そんな日なかった？なんて微笑みながら言っては答えを待ってくれる深澤さん。

そんな彼を見て、厳しい目をしてる岩本さんを見たら、勝手に口が本心を音にしていた。

今まで口にも文字にもしたことのなかった私の本音が初めて世に放たれた。

「アイドル、は、途中まで楽しかったです」