みんな違って。（Hikaru.I） (ページ11)

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そのあと、なんとなくの時間と部屋を教えてもらってデスクに戻る。

時間も決めたし、仕事を終わらせなきゃ。

新しいノートと資料を出して、ペンを走らせる。

没頭していれば、3人分もまとめ終わり、9人分のノートが完成して。

あとは、接してみて思ったことをさらにまとめていけばいいかな、なんて思って時計を見る。

「えっ！？時間、、」

約束した時間を30分すぎていて、焦って荷物を片付け始める。

「えっ、あっ、いって、、、んあ、なんでこれ絡んどんや」

独り言も気にせずガタガタするのは、この映像編集部はみんなヘッドホンやイヤホンで仕事してるから。

「おうおう、なんかやってんねえ」

お疲れ様です、と言って急ごうとしたそのときにそんな間伸びした声が聞こえて、驚きのあまりに鞄を自由落下させる。

「あららら、なあに落としてんのお」

ふにゃふにゃヘラヘラしながら声をかけてくれたのは

「ふ、深澤さん、、、？」

「時間過ぎたからね、心配になっちゃって」

そう言って私のぶちまけた鞄の中身を拾おうと屈んでくれる。

慌てて屈んで手を伸ばすと、ノートに伸ばす筋肉質な腕が目に入って。

「、、え？いわ、いわ、、もと、さん」

コンマ数秒の差でノートを取られた。

表紙にそれぞれの名前を書いていたのは失敗だったかもしれない。

いや、ノート開いて落ちたんだからそんなこと関係ないか。

気持ち悪いと思われたかな。

なんて思って俯く。

「、、、ねえ。これ、いつ？」

少し低い声が屈んでも頭上から聞こえてくる。

「、え？」

「いつから作ってたの？知らなかったって嘘なの？」

岩本さんの目が鋭い。

疑われてる？ほんとはファンだって思われてる？

知らないふりしたって感じてるの？

「あ、、今日、作りま、した」

「9冊？」

「いや、あの、深澤さん、佐久間さん、宮舘さん、渡辺さんのは、昨日の夜、帰ってからです」

「は？寝た？」

「へ？」

まあまあ、まずは立って戻ろうよ、なんて言う深澤さんの声でハッとしてノート以外の荷物を集めて立つ。

「全て話すので、みなさんの元に、行きませんか」

「何度も同じ話をするよりは効率いいので」

そう言って、覚悟を決めながら約束の部屋へと向かうために足を動かした。