みんな違って。（Hikaru.I） (ページ3)

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「茂木ちゃん！ちょっといい？」

朝、出社したかと思えばすぐさま呼ばれる私の名前。

何かしでかしてしまったのかな、なんて不安になりながら呼び出しを食らった会議室に向かう。

「、、、失礼します、茂木で、、、！？」

ドアを開けると、見知らぬ男性が9人。

多分、9人。

「茂木ちゃん、びっくりした？イケメンでしょ〜？」

なんて呑気にケラケラ笑ってるクマさん。

「、、、え？あ、え。あの、、、」

男性が苦手で、しかも状況が理解できていない私に出せる声はなく。

パニックの音が空を切る。

「熊谷さん、言わせちゃダメでやんすよ」

ぱっと見、1番小柄そうな人がニコニコとクマさんを嗜めていて。

「クマさん、お知り合いで、、、？」

そう聞けば、びっくりした顔をされる私。

なんでだ、なんかやばいこと言ったか、、、？

そんなことを考えれば、本気かを疑うような勢いでクマさんが飛びついてくる。

「え！？茂木ちゃん、もしかして知らないの！？ここ数日、メディア賑わせてる人たちなんだけど！？」

「あ、、、メディア機器、家にないので」

「社長が買えって言ってたよね！？なんで買ってないの！？」

「家帰って見る時間もなく寝ちゃうので、、、」

「あ〜そっか、茂木ちゃん改め赤ちゃんだもんね、、、じゃなくて！ Snow Man！知らない！？」

ちなみにうちの事務所のタレントだからね！？

なんて付け足されても、全く脳内にはヒットする情報がなく。

「すのーまん、、、」

「え！？茂木ちゃん、歌舞伎のパンフ担当してたよね！？」

「あ！しましたよ！」

「その主演、彼らなんだけどな！？」

歌舞伎の主演、、、パンフレット、、、

脳内を駆け巡る記憶探しの旅。

「そんなお名前もあったような、、、？」

ヒットはしなかった。

「ほんっとにすみません！教育し直します！」

クマさんが謝ってるのを見て、あぁ凄い人なんだ、としか感じなかった私。

最初に出てきた言葉は

「はじめまして」

だった。