偶然鼎立。（Ryohei.A）#2 (ページ44)

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クラゲコーナーを足早に出ようとするりょうさん。

好きなんだったら、そんなに急がなくても、、、

なんて思いつつも、りょうさんの気遣いなのかなと考えて。

「り、りょうさん、、、！」

ちょっと息が上がってしまい、思わず声をかける。

「え？どうしたの？」

多分自分のペースなんだろうな、気付いてない様子で。

「ごめんなさい、ちょっと、、早いです」

正直にそう伝えると、ハッとした顔をする彼の姿。

「ごっ、ごめん！そうだよね、俺とAちゃんだと足の長さ違うし、そりゃあそうだよ、、、」

「あ！いや私もスニーカーで来れば全然良かったのにすみません、、、」

そう、前回の会話があったから好きなヒールを選んで履いている私。

そのせいでつま先立ちで小走り状態になってしまった。

靴選び間違えたなあ、なんて落ち込んでしまう。

「あ、ねえ、Aちゃん。あそこ、明るいけど人いないじゃん。行ってみない？」

そんな私を他所にりょうさんは繋いだ手をグイグイと引っ張る。

え、反省どこ行った？ってくらいのりょうさんは楽しそうで。

「何がいるんですかね？」

りょうさんの息抜き役になれればそれでいい、なんて思い込むことにした。

水槽の前で静止したかのように動かないりょうさん。

え、電池切れた？なんて思うほどに動かないのに手を握る力は変わらないのがおかしくて笑いが溢れる。

そんな私に気付いたのか、りょうさんがえっ！？なに！？なんて焦ってて。

「いや、全然動かないなあと思っただけやで、、、」

そう言えば少し恥ずかしそうにしたあと、静かに頭の中を教えてくれた。

「いや、今はAちゃんに告白していいタイミングと場所、気持ちなのかなあって考えてたら、、、ごめん」

タイミングっていうのは、このタイミングっていうこと、それからSnowManとしてのタイミングってことなんだろう。

気持ちっていうのはおそらく、覚悟ってことなんだろう。

ただの男性である今のりょうさんと私の推しの阿部亮平は同一人物。

だからこそ、よぎることはいくらでもある。

芸能人の恋愛は大変なんだと本格的に実感した気がした。