偶然鼎立。（Ryohei.A）#2 (ページ42)

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「ここって、、、水族館？」

「そう、単純に俺が来たかったっていうのが大きいんだけど、Aちゃんと来たいなあと思ったんだよね」

私と来たいって言われても、全く合点は行かない、

魚好きとか言ったことないし、なんなら暗いところ苦手な方だし。
そんなに詳しいわけでもなければ、トークを弾ませられるわけでもない。

「ありがとうございます？」

返し方が分からず疑問系になりながらも返事をすると、チケット買いに行こうとりょうさんが歩き出す。

小走りで追いかけるようにしてチケットカウンターに到着して。

「大人2枚でお願いします」

りょうさんがチケットを頼んでいる瞬間だった。

「あ！流石にお支払いします、、、っ」

そう言って財布を取り出すと、ふんわりとした笑顔でいいよ、大丈夫って。

そう言われては出る幕なしの私。

「ありがとうございます、、、じゃあ帰りコンビニ寄ってくれますか？」

　
コンビニ？いいよお〜なんて返事をしてりょうさんは先に進む。

【この先暗いため足元に注意してください】

そんな看板を見て、足がすくむ。

「どしたの？見たいやつあった？」

不思議におもったであろうりょうさんが引き返してきて。

「あっ、いや！なんでもないです！」

足の震えは気のせいだろうとりょうさんを追った。

途中までは順調に進みながらりょうさんの解説を所々聞いていた私に難関の砦がやってきた。

「クラゲ」

「クラゲ好きなの？嫌いな方？」

つい声に出てしまったのを拾われて尋ねられて。

「あ、クラゲさんは好きですよ」

そう言ってさらに暗闇へと続いているエスカレーターを下った。

やばい、これは無理そう。