偶然鼎立。（Ryohei.A）#2 (ページ41)

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「びっくりした？」

んふふ、なんて笑いながら聞いてくるりょうさん。

「え、それはもう、、、駅での待ち合わせだったから電車かと、、、」

誰だってそう考えるだろ普通。
なんて思ってることは内緒にして答える。

「俺ね、気になってる子とドライブデートとか初めてだよ」

りょうさんは、あの日以降、的確に鋭く心を突いてくる。

じゃあ好きな子とはドライブデートしたんですね、なんて皮肉が思い浮かんでしまう自分が少し嫌になる。

「わ、私、男の人の運転する車が父以外だと初めてです、、、」

こっちはさらにウブだよ、経験なんてないから右も左もわからない。

ドラマやアニメでのイメトレしかしたことないよこんなの。

「え！そうなの！？え、でも前2回も乗せたじゃん」

「いや、あれは不可抗力の2回じゃないですか、、、」

まあ、確かに！なんて笑いつつも真面目な表情でハンドルを操作するりょうさん。

「なんか、運転できる人が好きっていう人の気持ち少しだけ分かった気がします」

「んぇ？なんで？」

「単純に頼りになるし、カッコいいです」

あはは、照れるよ、なんて言いながらも少しだけ耳が赤くなったりょうさんに気付いて私も恥ずかしさが込み上げてきて、車内は一気に静かになった。

「あ、あともう少しで着くよ」

「本当ですか？どれだろう、、、」

「え！ちょっと乗り出したらダメだからね！？」

「流石にそれはしません！」

目的地の近付きが私たちに会話を取り戻させてくれた。