偶然鼎立。（Ryohei.A）#2 (ページ26)

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そのあとすんなりと手は解放されて。
そりゃあそうだ。りょうさんは今をときめくアイドル。

「そういえばAちゃんも変装チックなことするんだね〜」

斜め前を歩くりょうさんがそう言ってニコニコしてる。

「流石に、たまに声かけていただいたりしますし、今日はお相手がりょうさんですし」

バレない装備完璧なはず。
メガネに珍しすぎる巻き髪、マスクにとフル装備してるもんね。

そんな会話をしていると、りょうさんが突然立ち止まって。

「うぇっ！？す、すみません、、、」

後ろをちょこちょこしていた私はりょうさんに衝突。

止まるなら言ってよ、、、

「ん？あ、ごめん！つい、いつもの癖で！」

どうやら私がいることを忘れていた模様。AB型故なのか、、？

「ここ、、、ですか？」

すごくシンプルな服を置いてそうな、ガチャガチャしていない大人っぽいお店。

「いつもここで買うんだよ〜。Aちゃんには教えてあげる」

どうやら、お気に入りのお店のようで。
手慣れたように店内へ吸い込まれていくりょうさん。

「えっ！？あっ、待って！？」

店内はりょうさんがYouTubeとかでよく見せるような服がたくさん。

メンズなのかな、あ、でもあそこの一角は色合いとかも女性ものっぽいなあ。

そんなことを考えながら、そっちに吸い寄せられていく私。

「ねえ、Aちゃん、どっちがいい？」

私が後ろにいると思い込んでいるりょうさんの声は空を切った。