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12、遺族の悲しみは ページ14

はい、つきました。

全力ダッシュで10分。マッチボックスでは3分程の距離にある入江地区は、民家が多い場所。

つまり、住宅街というわけです。

焔人が発生したといわれる現場には、既に人だかりが
出来ていた。

第8の人達はもう中に入ったのか、姿が見えない。

行動するなら今のうち…ですかね。

私は、家の壁にうずくまって泣いている女の人に目を向けた。

2年前にも、あの子の母親が焔人化したらしい。

「パパも、ママも…なんで…。今度は私も…」

私は、すっかり怯え切っているお姉さんに歩み寄る。
野次馬の視線は現場にしか向いていないので、このやりとりを見ている人はいない。

『大丈夫』

「え?」

誰?とこちらを見上げる高校生くらいのお姉さん。
その目は真っ赤に腫れている。
沢山泣いたんだろう。

両親を失ったんだ。ただ事じゃない。

『大丈夫ですよ』

私はしゃがんで、お姉さんと目線を合わせた。

「でも、私も…いつか燃えちゃうんだ…」

『そんなことないです』

「ある…私には、もう、パパも…ママもいない…」

『貴方には、お父さんとお母さんしかいなかったんですか?』

「…え?」

ポカン、とした様子でこちらを見るお姉さん。
それを見てつい口元が緩んだ。

『お姉さんには、友達も、恋人…はいないかもですけど……大事な思い出もなかったんですか?』

お姉さんはハッとしたように目を見開いた。
そして震える声で話し出した。

「…あ、る…。私には、仲良くしてくれる友達も…
大事な思い出も、たくさん…」

安心させるように微笑みながら、

『ね?貴方には、お父さんとお母さんの他にも沢山大切なものをもっているんですよ。…だから、失ったものばかり数えちゃいけないんです』

そこまで言って、私は一回言葉を切った。

『その方が、きっとお父さんたちも安心しますよ。
だって、大事な娘が泣いているのを見て嬉しい親なんて居ませんから』

「う、うわあああぁぁ…お父さん、お母さぁん!!」

最後まで言い切った途端、お姉さんの目から大量の涙が席を切って溢れ出た。

私はお姉さんを抱きしめた。

肩が徐々に濡れていく。
でもそんなことは気にならなかった。

逆に、嬉しかった。
この涙は、お姉さんが立ち直る為のものだから。

それは、私がお姉さんに寄り添う事が出来た証なのだ。



ーーー

なんか文章変な気がする…

変だったらスミマセン!

以上、作者でした。

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ろーるキャベツ☆(プロフ) - 続編行きます! (2020年8月18日 13時) (レス) id: f315a783e1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ろーるキャベツ☆ | 作成日時:2020年7月22日 19時

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