えっ、急過ぎるんだけど…?43 ページ14
〜Aside〜
「…っうう。…んー。」
ちゅんちゅん、と遠くから雀の鳴き声が聞こえてくる。
ゆっくりと目を開けるが、カーテンの隙間から覗く朝日が眩しくて中々目が開かない。
何度か瞬きをすると、ようやく目が慣れてきた。
『あ、れ…?いつの間に、?』
私の記憶では、部活が終わって帰る途中に……
『…っっ!!』
思い出した、昨日の事。
いじめっ子グループに脅されたことに。
震え出す体を抑え込むよう、二の腕を両手で掴んで落ち着こうとする。
すー、はー。と深く、深く深呼吸をする。
えっと、それからは…
全力で走って家に着いたら、部屋で制服のまま……
確か、制服がくしゃくしゃになってたから着替えようとした所までは覚えている。しかし、部屋着に着替えてベットに入った記憶はない。
『…あっ、時間が…!』
ふと、机の上に置いてある時計を見るといつも起きる時間から10分も遅れている。
急いで部屋から飛び出し、リビングに向かう。
『お、おはよ…!』
ドアを開けると、キッチンで料理をしている母と目が合った。
母は、「あら、起きたのね。おはよう」と言いながら微笑んで挨拶を返してきた。
『…あれ、瞬は?』
いつもなら、私の起きる時間の10分後に起きてくる瞬と鉢合わせになると思ったが、来ない。
「あー、瞬くんならもう先に朝練行っちゃったわよ〜。」
『えっ。』
先に、出ていった…??あの朝に弱い瞬が…!?
瞬は、寝起きが悪く朝早くから起きられない人だ。
その瞬が今日はもう先に朝練に行ったという。
…一体、どういう風の吹き回し?
「ま、とりあえず朝ごはんどーぞ!」
コト、と音を立てながらパンとサラダが乗っているワンプレートのお皿と牛乳を私の目の前に置いてくれた。
いただきます、と手を合わせながら感謝を述べてパンに手をつける。
母は、そんな私を見ながら、真向かいのイスに座った。
「どう?美味し??」
『…うん、美味しい。』
何気ない会話。それだけで気分が落ち着いてくる。
「…Aちゃん。食べながらでいいから私のお話、聞いてくれる?」
プチトマトのヘタを取り、口に放り込もうとすると母が口を開く。
私は黙って耳を傾ける。
「…今朝ね、瞬くんが珍しく1人で起きてきたの。そして、Aちゃん宛にに伝言言ってたわ。"後でゆっくり話そう"って。私からは何も言わない。だから、ちゃんと兄妹で話し合ってね。」
『…うん。』
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Ayame(プロフ) - 月永玲美@レオ難民さん» ありがとうございます! (2018年2月11日 15時) (レス) id: 1c746f653b (このIDを非表示/違反報告)
月永玲美@レオ難民(プロフ) - Ayameさん» いえいえ、大丈夫です!友達申請、送りますね! (2018年2月11日 15時) (レス) id: 94d50e8693 (このIDを非表示/違反報告)
Ayame(プロフ) - 月永玲美@レオ難民さん» コメント遅れてすみません!はじめまして!本当ですか!?(笑)それはびっくりですね(苦笑)私でよければお友達になりたいです! (2018年2月11日 14時) (レス) id: 1c746f653b (このIDを非表示/違反報告)
月永玲美@レオ難民(プロフ) - Ayameさん» 初めまして!夢主ちゃんの誕生日が私と一緒で……ビビりました(笑)良ければ…お友達に、なりませんか?返信、待ってます! (2018年2月9日 17時) (レス) id: 94d50e8693 (このIDを非表示/違反報告)
新橋浅葱(プロフ) - Ayameさん» ありがとうございます!!描けたらURL送りますね。 (2018年2月8日 18時) (レス) id: edfaf732fa (このIDを非表示/違反報告)
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