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「小瀧くん、おはよう！」
「…」
今日は挨拶を返してくれない。何してるんだろう。
「小瀧くん？」
近づいて声をかけると、すぐに机にうつ伏せるようにして何かを隠した。
「あ、ごめんね」
見ちゃいけないものだったかな。
腕の下から見えた紙と鉛筆から、手紙を書いていたのかなと予想した。
「シーゲちゃん、花壇に水やりに行こ」
私はシゲちゃんに腕を絡ませると、教室を出ようとした。
そのとき、入れ違いに中間先生が入ってきた。
「あ、重岡」
「…」
「昨日数学のノート返すの、手伝ってくれてありがとうな。助かったわ」
「…ぃぇ」
いつもよりさらに小さいシゲちゃんの声。
もしかして、と顔を覗きこむと彼女の瞳孔は開いていなかった。
その代わり、瞳はか弱く揺れて、頬が真っ赤に染まっていた。
シゲちゃんったら、乙女ね。
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作者名：Hana | 作成日時：2019年3月16日 20時
