身分違いの恋【平野】

涙色 ページ40

.






今まで走ったことないようなスピードで走った、







重たすぎるドレスを抱えて、







たくさんの人たちの間をすり抜けていく






「お嬢様？！」






「お戻り下さい！！！！！！」






「A！！！！！！！！」








たくさんの人の声を無視して、外に出る







本当に鳥籠から出たみたいだった







タクシーをそばで拾う









「成田空港まで！！！急いで！！！！！」









時刻は10時半







間に合って、お願い、









チリチリなる携帯が響く









お母さん、お父さん、ごめんなさい。


















キキーッというブレーキ音と共に お金払ってタクシーを出る






周りの目が痛いほどささるけど、そんなこと気にしてられない











そりゃそうだ花嫁姿の女が空港に来てるんだから






「３番ゲート、３番ゲート」









人混みを掻き分けて３番ゲートへ向かう









「 紫耀っ、どこなのっ、」







目が回るほど探し回った





時刻は11時50分









「11時15分発イギリス行きのお客様〜」





というアナウンスが入った









見つけた、わたしの愛しい人。









「紫耀！！！！！！！！！！！」









スーツケースを引いている後ろ姿に向かって叫ぶ








彼の足が止まって、ゆっくり振り返って








紫耀「お嬢様……、」









離れていてもわかる、彼はそう言っていた







ドレスを抱えて 彼の元へ向かう







「っ、バカ！！！！アホ！！！嫌い！！！！！なんで！！！！黙っていこうとするの！！！！！！！！！！！！！！！！」




私の顔は涙でぐっしゃぐしゃだ







.




next



字数関係で途中で切ります

__end .→←伝える

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す