ヌナ。ーJISUNGー (ページ7)

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ep7 ページ7

A「なに、今度はお兄ちゃんまで。」

不機嫌なヌナは少し冷たく
ヒョンにそう言う。

するとヒョンは驚いたように
ヌナのことを見つめた。

兄「なんだよ、機嫌悪いの？」

A「そ、そんなことないけど…」

ヌナは横目で僕をみる。

だから僕はまた教科書で
目の下まで顔を隠した。

兄「腹減った。飯食わして。」

ソファにカバンを投げ出して
学ランの第一ボタンまで外すヒョン。

中学生になってからバスケ部に入って
前よりもヌナの家に行くことが少なくなった。

A「飯食わして、って…お兄ちゃんのお家はお隣ですよ～？」

兄「父さんも母さんも今日は帰り遅いんだって。」

A「え、そうなの？じゃぁ夕飯はどうするの？」

兄「“これで俺とチソナの分、何かデリして”って。ん。」

お札を何枚か
学ランの胸ポケットから取り出して
ヌナに差し出すヒョン。

A「デリ、したらいいじゃない。」

JS「僕、ピザがいいな。」

僕達の顔を見ると、ヒョンはため息。

兄「違くてさぁ～…デリなんて体に悪いものじゃなくて！」

体に悪いの？

そうなのかな？

「えぇ～…ピザ…」って心の中で思ったけど
その言葉は飲み込んでヌナとヒョンを見る。

兄「部活で疲れた体に染み込むような、手料理が食べたいじゃん？(^^)」

A「このお金で作れってこと？」

兄「せーかい(^^)」

A「やだよ。私、日本食ぐらいしか作れないもん！」

兄「いいじゃん、日本食！レストラン行かなくても食べれるなんて、最高(^^)」

A「美味しかったら、の話ね。」

兄「な？チソナも日本食、食べたいよな？」

ヒョンにそう聞かれて
僕はヌナに笑顔を向ける。

本当はピザがいいけど
食べてみたい気もしたんだ、ヌナの料理。

兄「ヌナ、早く！俺、腹減って死にそう！なっ？」

JS「ぼ、僕も！」

お腹を押さえてヒョンと2人
大袈裟にゴロゴロすると

ヌナは諦めたように
「わかった！」と言った。

A「いいよ、作るよ！」

兄「よっしゃ(^^)」

A「でも、お兄ちゃんも手伝いなさいよ。私の料理をタダで食べれると思ってんじゃないよ。」

兄「材料費、渡したじゃん(笑)」

A「指名料よ！」

兄「ふははは(笑) なんだそれ(笑)」

学ランの上着を脱ぐと腕捲りをすると
キッチンに行くヌナの後を追いかけるヒョン。

JS「……」

キッチンの2人の後ろ姿が
なんだか楽しそう…

「僕も手伝う？」って聞くと
ヌナもヒョンも口を揃えて
「チソナは宿題！」って言われた。