ヌナ。ーJISUNGー (ページ41)

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ep41 【You Side】ページ41

【A Side】

突然現れた、ちぃ。

突然過ぎて驚いて
言葉が一切出てこなかった。

ちぃも私の顔を見たまま、固まってる。

A「…入って？」

JS「え、あ、うん。」

ガチガチに緊張したちぃ。

私はそれを解そうと
何も気にしてないかのように振る舞う。

A「何か飲む？オレンジジュースと、お茶があるよ。」

ちぃは、コーラが好き。

だけどそれは今日は用意してない。

だからオレンジジュースとお茶なら
ちぃはオレンジジュース。

それをわかってて、あえて聞く私。

JS「あ、じゃぁ…オレンジジュース…」

…ほらね、やっぱり。

あの頃のちぃのままだ。

A「ん(^^) ちょっと待ってて(^^)」

…そんな些細なことが嬉しくて
私はにやける顔を隠すのに必死だった。

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それから私の近況を聞かれて
いろんなことを話した。

ソファに座って聞くちぃは
前よりも手足が長くなって
座っていても持て余してるみたい。

それに髪型も変わって前髪が伸びた。

少し子どもっぽく
ぽちゃっとしてた頬は
いつの間にかスッキリしていて
顔が小さくなった。

A「…っ…(照)」

…やっぱり、間近で見ると
ちぃの成長を感じる。

前よりも…かっこよくなってる…

密かにドキドキしていると
ちぃは小さな声で話し始めた。

JS「ヌナ…僕の家族は、バラバラになったんだよ。」

A「えっ…？」

“バラバラ”…？

その言葉を聞いて
いつかのお兄ちゃんの言葉を思い出す。

兄「…俺ん家、離婚するんだよ。」

A「…えっ…？(汗)」

兄「父さんも母さんも、どう止めたって無駄だった…俺の家族はバラバラだ…(泣)」

JS「父さん達が離婚した。ヒョンは母さんに、僕は父さんに引き取られた。」

A「……」

…ちぃ…苦しそうな顔…

JS「だけど、父さんは別の人との再婚が決まって…」

A「っ、じゃぁ、ちぃは…？」

JS「……」

A「ちぃは、どうなるの…？」

JS「僕は…」

…痛いほど、わかる。

私も同じだから。

お母さんが新しい人を見つけた時
私の居場所はないんだって、そう思った。

A「…っ…」

…ちぃには…居場所、あるの…？

JS「…僕は、1人だよ…」

ちぃが絞り出した言葉。

それはちぃだけではなく
私の心も締め付ける。

JS「僕は、1人なんだ。僕は邪魔者になった。父さんは僕を選んでくれなかった。」

A「ちぃ…！」

ちぃの今にも泣きそうな姿を見てられなくて…

…私は咄嗟にちぃを抱きしめた。