ep35 【You Side】 ページ35
【A Side】
一人暮らしにも慣れて
越して来てから新しく働き始めた
ケーキ屋さんの仕事にも慣れた。
それなりに友達もできたし
休みの日には観光したり
1人で買い物や外食もできるぐらいには
余裕が出て来た。
日本では実家ぐらしだったけど
日本での生活と変わらないぐらい
不自由なく生活できるようにはなった。
今では友達もいるし
好きなグループのコンサートにも行く。
だけど…
いつも頭から離れないのは、ちぃのこと。
昔のようにちぃと
一緒に過ごせたらなって思うけど
ちぃが夢に向かって
気付かないうちに成長して
離れて行くのを…私は止められない。
止められるわけない。
ちぃが、夢を追うから
私は応援するしかできない。
それしか…
ちぃのためにできる事が、私にはない…
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A「いらっしゃいませー」
クリスマスの繁盛期を越えた
私の働くケーキ屋さんは
その頃と比べると
忙しさも安定していた。
だけど年が明けて
お祝い事だからとケーキを注文する人もいて
旧正月のある2月に入ると
また忙しさを増した。
A「今日は…誕生日用のケーキが、2つ…」
予約表を見ながら確認する私。
予約表には注文者の名前のみで
連絡先の電話番号がない。
普段だったらちゃんと聞くのに、と
不審に思いながらも
注文通り、チョコレートと生クリームの
ホールケーキを2つ、準備した。
A「しかも、プレートの名前も聞いてないじゃない…」
誕生日ケーキの注文なのに
主役の名前も聞きそびれていて
プレートも書けない状態。
A「はぁ…」
…仕方ない。
“HAPPY BIRTHDAY”？
それとも
“センイル チュッカヘヨ”？
受け取りに来た時に聞いて書けばいいかな？
それとも、日付？
今日は…
A「…っ…」
…2月5日…
ちぃの、誕生日…だね…
ちぃは今日、誰かにお祝いしてもらうのかな？
Rookiesのメンバー？
それとも、近くにいるスタッフ？
あの時の“ヌナ”も…一緒にいるの…？
A「……」
これが、ちぃの誕生日ケーキだったら
どんなにいいだろう。
またあの頃のように
ちぃにケーキを作ってあげられたら
ちぃは喜んでくれる？
本当ならちぃと一緒に
ちぃの行きたいところに行って
食べたいもの食べて
やりたいことをやって
そうだな…
今日はちぃの誕生日だから
ちいの欲しいもの、何でも買ってあげるよ。
特別なんだからね？
1年に1回の、ちぃが主役の日だから
盛大にお祝いしてあげたいのに…
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ジェミン - 更新頑張ってください！ 応援してます！ (2015年8月20日 14時) (
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作者名：natsu
| 作成日時：2015年7月20日 1時
