ヌナ。ーJISUNGー (ページ31)

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先輩のMVに出演する僕の他にも
みんなそれぞれ仕事をもらっていて
SM Rookiesのみんなは個人で活動をしていた。

それでも事務所では
仕事以外にも定期的にレッスンがあって

そこで会って近況を話すのが
僕達の楽しみだった。

MK「チソナは、旧正月はどうする？」

ストレッチをしながら聞くマークヒョン。

僕の返事を聞く前に
「俺は久々に友達と旅行に行くんだー！」と
嬉しそうに床に寝転んだ。

JM「いいね、どこに行くの？」

MK「済州島(^^)」

「羨ましいなぁ～」とジェミニヒョン。

マークヒョンは思い出したように
「で、チソナは？」と聞いた。

JS「僕は…まだ何も…」

MK「えー、早く予定組まないとチケット取れないよ？」

JS「旅行は行かないよ。ヒョンに会いに行こうかなって…」

JM「実家に帰るの？」

JS「う、うん…実家…(^^)(汗)」

実家なんてない。

離れて暮らす母さんとヒョンの家に
僕は遊びに行きたいだけ。

本当はそこに父さんもいたらいいけど
僕の家族はバラバラになってしまったんだ。

いつもならクリスマスも
年越しも僕の誕生日も旧正月も

全部、家族4人で
楽しく過ごしていたのに…

今は、みんなバラバラ。

JM「あれ…チソナって、ヌナもいなかった？」

JS「えっ？」

JM「ほら、前に撮影の時に。“ヌナ”って言ってた気が…」

ジェミニヒョンが首を傾げる。

言ってたよ。

でも、ヌナのことは
みんなに秘密にしたいんだ。

みんなは知らない
教えたくない
僕だけのヌナだから。

だから…

JS「…いないよ。僕には父さんと、母さんと、ヒョンだけ。」

…そう、返事をした。

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JS「もしもし？母さん？」

今日も眠る前に、母さんに電話。

最近は疲れが溜まっていて
少し寂しい。

母さんに会いたいな…

母「旧正月の休みに、お兄ちゃんと旅行に行く予定なんだけど…」

JS「…ぇ…？」

母「チソナは休みあるの？」

母さんとヒョンが、旅行…？

僕は誘ってくれなかったの…？

家族なのに…

母「チソナも休みが合えば一緒に行こう？仕事は？あるの？」

JS「僕…僕は…」

母さん達が旅行の日は
僕は休みじゃないけと…

初めから旅行のこと教えてくれたら
僕も行けたかもしれない。

こうゆう仕事をすれば
休みたい時に休めて
遊びたい時に遊んで…

そんな風に過ごせなくなるのは
初めからわかってた。

それに僕よりも先輩達の方が
休みなんかなく働いてるのに…

JS「…行けないや。」

僕はまた、寂しさで
心が埋め尽くされていた。