ヌナ。ーJISUNGー (ページ22)

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ep22 ページ22

“SMTOWNで踊れる”という噂は
次の日のレッスンで先生から
公式発表として僕達に伝えられた。

だけど実はこの間のテストの時に
そのメンバーはある程度選考されていたらしく
13人の練習生が選ばれていたみたい。

その13人の名前が
先生に順番に呼ばれる。

「テヨン、ジェヒョン、ハンソル…」

呼ばれた人達は嬉しそうに小さく喜んで
呼ばれてない人は先生の顔をじっと見つめてる。

「チソン。」

JS「ぇ」

僕？

JS「はい！」

え、僕？

本当に僕？

隣にいたマークヒョンが
「やったな！」って肩を抱く。

ヒョンも選ばれたみたい。

…で…僕も選ばれた？

「以上の13人から次のテストで選ばれた5人が、SMTOWNでステージに立つ。各自、準備しておくように。」

「はい！」「よろしくお願いします！」と
僕達は一列に並んで挨拶。

そして先生がスタジオから出ていくと
スイッチが入ったように僕達は騒ぎ出す。

だけど僕は未だに実感がなくて…

ただ、ボーっとしていた。

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JS「もしもし？母さん？」

母「チソナー？」

宿舎に帰ると
すぐ母さんに電話をした。

宿舎に入ったばかりの頃は
毎日のように電話をしていたけど

最近は忙しくて出来なかったから
随分と久しぶりな気がする。

母「元気にしてるの？体調は大丈夫？」

JS「うん、大丈夫だよ。母さんは元気？」

母「元気よ。」

JS「ヒョンも？」

母「みんな元気よ(^^)」

JS「そう、ならいいんだ～」

母「…なに、チソナ、いいことあったの？」

JS「えっ？」

母「声が、嬉しそう(^^)」

練習生と言えども
事務所に所属してる以上は
守秘義務というものがある。

まだ世間に公表していない情報は
たとえ家族でも口外してはいけない。

だから僕は練習生になってから初めて
何かのメンバーに選ばれたという嬉しさを
誰かに打ち明けたくても、出来ずにいた。

JS「…ううん、なんでもない(^^)」

ヌナが近くにいたら
そんな“守秘義務”ってやつも
頭のどこかに飛んで行くほど

嬉しくて、浮かれて
報告しに行ってたかもしれない。

だって、ヌナ、見たがってたでしょ？

僕のダンス。

あんな運動会のダンスなんかよりも
もっとカッコいいやつを踊るから。

ヌナ、見たら驚くよ、絶対。

JS「母さん。」

母「なぁに？」

JS「僕、テスト頑張るね！」

次のテストで選ばれたら
ヌナに会いに行こう。

お財布に大事にしまってあった
ヌナの住所が書かれたメモを取り出すと

その日が楽しみ過ぎて
僕の顔は緩んだ。