ヌナ。ーJISUNGー (ページ11)

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ep11 ページ11

ヌナがいなくなってからというもの
僕は何をしててもやる気にならなくて
成績も少しだけ下がった。

今思えば毎日必ず宿題を終わらせてたのも
ヌナの家でヌナに会えるからだったし

もし僕がサボろうもんなら
ヌナが怒って口聞いてくれなかったし
悲しそうな顔をしていた。

JS「……」

もう、そんな風に
気にかけてくれる人はいないんだな…

そう思うようになってから
自分の中でプツリと何かが切れて
宿題も勉強もしなくなった。

だけど、唯一、続けていたもの。

－－－－ピッ

僕はDVDの再生ボタンを押す。

すると流れ出したのは
あるアイドルグループが
音楽番組に出演した時のもの。

僕はそのステージを見ながら
見よう見まねで体を動かした。

A「ちぃ、5年生の運動会の時に踊った創作ダンスあるでしょ？あれ、上手だったから最後に見たいな。」

JS「っ…」

いつか僕が上手に踊れるようになったら
ヌナに見せてあげたい。

あんな、運動会の創作ダンスなんかじゃなくて
もっとかっこくて、すごいやつ。

アイドル？

僕は興味ない。

ヌナはどうかな？

アイドルが好きなのかな？

頭の中の記憶をたどると
ヌナの部屋にあったCDを思い出した。

好きなのかはわからないけど
ヌナがCDを買って聞くグループ。

そのグループのダンスを覚えれば
間違いない、なんて…

そんな単純な理由だった。

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母「オーディション？(汗)」

JS「うん、受かったんだ(^^)」

今日は久しぶりの家族4人での食事。

そこで僕が先週末に
芸能事務所のオーディションを受けて
一次審査に通った報告をすると

父さんも母さんもヒョンも
みんなが目を丸くして驚いていた。

母「受かったって…いつ受けたの？(汗)」

JS「この間の土曜日(^^)」

兄「事務所って…チソナはまだ5年生だろ？(汗)」

JS「年齢は関係ないよ。僕より小さい子も会場にいたよ？」

兄「アイドルになりたいのか？」

JS「うーん…アイドルってよりも、ダンスを覚えたい！(^^)」

母「それだけで、オーディション受けたの？」

それだけ…って…

その気持ちが全てなんだけどな…

すると僕達の会話を聞きながら
じっと黙っていた父さんが
静かに口を開いた。

父「…本気なのか？」

JS「えっ？」

父「事務所に入れば、お前が考えているよりも厳しい世界が待ってる。興味本位ならやめなさい。」

JS「…興味本位なら、僕は今まで通り、自分で見よう見まねで踊って、とっくに満足してます。」