ヌナ。ーJISUNGー (ページ2)

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ep2 ページ2

兄「あ、あのー…すいませんっ！」

遠慮がちに声を掛けるヒョンの後ろに
ちょっと下がって隠れる僕。

だって、知らない大人がいっぱい。

兄「あの、隣に住むものですがー！」

そう声を掛けても業者のおじさん達は
「ほら、邪魔邪魔！」と手で僕達を押しのける。

JS「ほら、やっぱり忙しいんだよ。やめとこうよ。」

兄「もー！せっかく手伝ってあげようって言うのに！男手が必要だろー？」

頬を膨らませて怒るヒョンは
小学校6年生。

その弟である僕は
小学校4年生。

男手というよりも、お荷物じゃないの？

僕達は忙しなく行き来する
業者のおじさんにぶつからないように
隣の家の玄関先の端っこで
2人でくっついてその光景を眺めていた。

…その時だった。

JS「……？」

隣の家の庭の方。

陽だまりでごろん、と横になってる
猫のお腹を撫でてる女の人がいる。

JS「ヒョン！あそこ！」

兄「ん？」

ヒョンのシャツを後ろからグイッと引っ張って
その女の人の方を指差す。

するとヒョンもその女の人に気付いて
「あっ！」と少し大きな声を出した。

兄「あの人がお隣さんだ！」

「行こう！」と僕の手を引っ張る
ヒョンに遅れないように着いて
庭の奥の方へと行くと

その女の人は僕達に気付いたみたいに
こっちを向いた。

兄「お姉さん、ここの家の人？」

「……？」

兄「俺達、隣の家に住んでるんだ！引っ越しの手伝いをしに来たんだけど…」

女の人はニコりとも笑わないで
僕達のことをじっと見つめてる。

JS「……(汗)」

…なんか、嫌な予感。

僕はまたヒョンのシャツを
後ろから引っ張った。

今度は強めに。

JS「ヒョン、お姉さん、怒ってるよ(汗) 勝手に庭に入ったから(汗)」

兄「えっ？(汗)」

急に焦り出したヒョンは
お姉さんに今度はゆっくりと説明を始める。

兄「あ、あのっ、僕達は手伝いをしに来ただけでっ(汗) か、勝手に入って来ちゃってごめんなさいっ(汗)」

JS「(汗)」

「……？」

まだこっちを見てる、お姉さん。

怖い。

“やばい、今すぐ帰ろう”って
ヒョンも思ったんだろう。

後ずさりを何歩かした時
ずっと黙ってたお姉さんが
ボソッと話し始めた。

「あ、あにょはせよ…」

兄「えっ…？」

JS「？(汗)」

しゃべった！

でも、なんか変。

「ちょぬん、Aいむにだー」

兄「……？」

「いるぼねそ、わよ。」

JS「(汗)(汗)(汗)」

“いるぼねそ、わよ”？

“日本から、来る”？

なんか、言葉がおかしいよ？(汗)