ep34 ページ34
それからにには
私にシウミンのことを聞いた。
いつ出会ったのか。
何歳なのか。
どこに住んでいるのか。
何をしてるのか。
だけど私はシウミンのことを何も知らない。
知ってるのは…
A「…妹がいるの。シウミンが大事にしてる妹…」
KI「妹…？」
A「シウミンの家族は、両親と、妹。」
KI「……」
…これだけ。
私が知ってるのは
シウミンの家族構成と
本名かどうかもわからない、その名前。
にには少なすぎるその情報に
少し困ったような顔をしながらも
私が今にも泣きそうな顔をしてるからか
重たい空気を振り払うかのように
「よし！」と、手を1回叩いて笑った。
KI「調べよう！あの事故のこと。」
A「にに…」
KI「何を調べたらシウミンを見つけられるか、俺もわかんないよ？でも、シウミンが調べろって言ったんでしょ？」
A「……」
KI「きっと、それがシウミンに辿り着く鍵なんだよ。だから、やらないと。」
にには私の頭をまたぐしゃぐしゃに撫でると
「ははは(笑)」と、目を細めて笑った。
KI「大丈夫だよ、俺も一緒にいるから！(^^) ヌナが怖くて見られないものは見なくていいし、代わりに俺が見るよ。だから、ヌナはシウミンを探して。シウミンに会いたいって気持ちだけ、ちゃんと持ってて。」
A「…にに…(泣)」
「ははははは(笑)」「また泣くのー？(笑)」
「俺って、優しい弟でしょ？(笑)」と、ふざけるにに。
A「…バカにに(泣)」
KI「ふははは(笑)」
本当に、ににがいて良かった。
ににがいなきゃ、きっと私はダメだった。
シウミンに会いたくて
でも会えないまま
どうしたらいいかわからないまま
また泣いて過ごすだけだった。
A「…にに、ありがと(泣)」
KI「ん(^^)」
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それからあの日のことを
ににと一緒に調べ始めた。
真剣な顔をして
あの日のニュース番組を
何度も何度も見直すににの横で
私はハナのお母さんが集めた
膨大な量の新聞や雑誌の切り抜きを
端から端まで読み漁った。
KI「ヌナ、大丈夫？」
A「うん…大丈夫。」
にには長時間集中して
テレビ画面を見て疲れたのか
眠たそうに目をこすってる。
A「……」
部屋の時計を見ると
いつの間にか日付が変わっていた。
シウミンが消えて
真っ先に家に帰ってににと話してから
ずっとこうやって調べてて…
私も活字を目で追うことに疲れたけど
でもシウミンが言った“時間がない”という言葉が
何度も何度も頭の中に響いていた。
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あやか(プロフ) - しうちゃーーん、何者だーいw 面白いです♪最新頑張ってください☆ (2015年8月6日 20時) (
レス) id: f5b7a69cbd (このIDを非表示/違反報告)
きゅみん♪(プロフ) - しうちゃんあやしいぞ！！でも変な人では無さそうですねwストーカーチックですけどね！読んでて切ないけど続きが気になります！更新待ってます♪ (2015年7月23日 21時) (レス) id: 8a54724506 (このIDを非表示/違反報告)
96-YM(プロフ) - 事故で重たく辛いストーリーとミステリアスな感じがめちゃくちゃ面白いです！！すきです！(告白) (2015年7月11日 3時) (レス) id: e8cdc0e841 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：natsu
| 作成日時：2015年7月2日 21時
