ep28 ページ28
劇場内に入ると
時間も時間だからか
人もまばらで空いていた。
人が多いところが嫌いなシウミンが
わざわざこの時間のこの映画館で
待ち合わせをした理由がわかった。
A「…用意周到だね。」
XM「そう？(^^)(笑)」
クスクス笑うシウミン。
その横顔が、愛しい。
上映が始まると
それまで冗談を言っていたシウミンも黙って
映画の内容に集中していた。
今回、シウミンが観たいと言った映画は
ラブストーリーの内容。
回り道をしてすれ違う男女の純愛ラブロマンスだと
プログラムにも書いてあった。
A「……(照)」
キスシーンや、ドキドキする展開に
つられるように私も緊張してくる…
A「……？(照)」
XM「……」
…ふと、隣を見ると
表情一つ変えずに真剣な顔のシウミン。
目線を少し下げると
すぐ近くに、シウミンの手。
A「……(照)」
…触れたい…
シウミンの細くて、綺麗な手…
A「…っ…(照)」
そう思った私は
勇気を出して、そっと手を伸ばす。
A「…っ…(照)」
あと10センチ…
あと5センチ…
ゆっくりと伸ばす手が
少し震えてるのがわかった。
A「……(照)」
あと少し…
あと少し…
A「……！？(照)」
勇気を振り絞った私の手が触れたのは
隣にいるはずのシウミンの座席のシート。
触れるはずだった感触とは違って
思わず顔を上げると
立ち上がったシウミンが私のことを見下ろして…
XM「…ちょっと、お手洗い行ってくる(^^)(笑)」
A「ぁ…(照)」
…そう言って、ニヤリと笑うと
劇場を出て行った。
A「……(照)」
…今の、わざと？
私が何しようとしてたか
わかってて、からかったんだ。
A「……(照)」
…手、繋ぎたかったのに…
その願いを果たせなかった私の前で
無情にも映画はラブシーンの最中。
A「…はぁ…(照)」
シウミンの手を、握ってみたい。
細い指に指を絡めてみたい。
抱きしめられたい。
キスを…してみたい。
きっと優しくて紳士的なシウミンだから
抱きしめる強さもぬくもりも
どこまでも深くて、あたたかくて
すごく私をドキドキさせるんだろう。
その腕におさまることが
どんなに幸せなことなのか
シウミンのドキドキを
胸に耳を付けて聞いてみたい。
そして同じように私も
胸のドキドキを重ねたい…
私も…シウミンのドキドキを、感じてみたい…
A「…難しいなぁ…」
私にはそれが
世界一難しいことのように感じていた。
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あやか(プロフ) - しうちゃーーん、何者だーいw 面白いです♪最新頑張ってください☆ (2015年8月6日 20時) (
レス) id: f5b7a69cbd (このIDを非表示/違反報告)
きゅみん♪(プロフ) - しうちゃんあやしいぞ！！でも変な人では無さそうですねwストーカーチックですけどね！読んでて切ないけど続きが気になります！更新待ってます♪ (2015年7月23日 21時) (レス) id: 8a54724506 (このIDを非表示/違反報告)
96-YM(プロフ) - 事故で重たく辛いストーリーとミステリアスな感じがめちゃくちゃ面白いです！！すきです！(告白) (2015年7月11日 3時) (レス) id: e8cdc0e841 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：natsu
| 作成日時：2015年7月2日 21時
