ep3 ページ3
病室にやって来た
お父さんとお母さんとにに。
母「…っ…うぅっ…(泣)」
A「……」
深刻な、ににの顔。
声を漏らして泣くお母さん。
A「…っ…」
なんだかわからないけど…怖い。
お父さんは私の髪を何度も撫でて
優しく微笑んでいる。
A「……」
にには私とお母さんの手を重ねて
何度も何度もギュッと握る。
父「A…」
A「……」
お父さんはゆっくりと
あの日、私に起きたことを話し始めた。
あの日私は、交通事故に遭った。
飲酒運転をしていたバイクの運転手が
ハンドル操作を誤って
私とハナのいる交差点に突っ込んできた。
事故現場にはブレーキ痕はなく
突っ込んだ拍子に転倒した運転手と
私を含めそこで信号待ちをしていた通行人
そして操縦者を無くしたバイクが
その日大勢の人がいた中で暴走したことと
バイクの後ろを走っていた乗用車が
その後にハンドルを切れずに突っ込んだことにより
たくさんの人が事故に巻き込まれた。
A「……っ……」
父「この交通事故で亡くなったのは、飲酒運転をしていた運転手と、巻き込まれた一般人が十数名。」
A「…十…数名…」
そんなに…たくさんの人が…
母「…うぅっ…(泣)」
父「Aがいたのは、信号待ちの最前列だったようだね…たくさんの人が亡くなってしまった中、最前列にいたにも関わらず、Aは助かった…」
A「…っ…」
あぁ…だからさっき
にには“奇跡的”って言ったんだね。
でも…
A「…っ…(泣)」
KI「ヌナ…」
涙がポロポロとこぼれる。
だって…
私が助かったのは確かに
奇跡的なのかもしれないけど
私以外に十数名の人が亡くなってて…
父「…A…」
お父さんが私を抱きしめて
背中をさすってくれる。
その大きな胸に抱きしめられて
私は大声で泣いた。
KI「ヌナ…ヌナは助かったんだよ…生きていてくれただけで、幸せなことなんだよ…」
A「っ(泣)」
わかってるよ、にに…
だけど、その幸せを
誰もが平等に与えられた
生きる、という幸せを
予期せずにあっという間に奪われた人が
あの日、あの場所に
私もいたあの場所に
たくさんいたってことが…
A「うっ…うわぁっ…(泣)」
KI「ヌナぁ…(泣)」
頭が混乱して
ショックで
泣いて泣いて…
…涙が枯れるぐらい泣いた私の頭の中で
あの事故の日のことが
少しずつ記憶が蘇ってきていた。
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あやか(プロフ) - しうちゃーーん、何者だーいw 面白いです♪最新頑張ってください☆ (2015年8月6日 20時) (
レス) id: f5b7a69cbd (このIDを非表示/違反報告)
きゅみん♪(プロフ) - しうちゃんあやしいぞ！！でも変な人では無さそうですねwストーカーチックですけどね！読んでて切ないけど続きが気になります！更新待ってます♪ (2015年7月23日 21時) (レス) id: 8a54724506 (このIDを非表示/違反報告)
96-YM(プロフ) - 事故で重たく辛いストーリーとミステリアスな感じがめちゃくちゃ面白いです！！すきです！(告白) (2015年7月11日 3時) (レス) id: e8cdc0e841 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：natsu
| 作成日時：2015年7月2日 21時
