新しい仲間 閑話 夜視点 ページ36
ラヘルとAを追って、塔を登ってきたらクンさんやラークさんと出会うことができた。
二人には、ラヘルとAを探していること、二人が僕にとってとても大切な存在であることを伝えた。
クンさんからは「二兎を追うものは一兎も得ずって言葉知ってるか？」って言われた。ラークさんからは「黒い亀の癖にメス2匹？生意気だな！」なんてからかわれた。
夜、自分へ充てられた部屋で眠ろうとするとベッドが柔らかすぎて眠れない時がある。
こういう時は、何故かあのゴツゴツした岩肌が懐かしくなる。
こんな夜は決まってAから貰った組紐を見つめる。しっかりと編み込まれた組紐は、僕と彼女たちが一緒に過ごしていた時間を証明してくれる存在だった。
ふと、Aの膝に寝転がった時の事を思いだした。膝上から顔を見上げて目があったときの、照れたようにはにかむ彼女を見て胸がぎゅっと締め付けられたのを覚えてる。僕を諭そうとして、言葉に詰まって赤くなる顔も愛らしく感じた。
またAに会ったら、最初に何て言おう。君達を追いかけて来た、って言ったらどんな顔するんだろう。
びっくりするのかな、またあの表情で笑ってくれると良いな。
そしてまた膝枕してほしい、あの表情を近くで見たい。
でも...流石に皆の前でやったらラヘルやクンさんに止められるかもしれないし。
何より、あの表情は僕の心に留めておきたい。誰かと共有するんじゃなくて、僕だけのものにしておきたかった。
「A……」
部屋の中で呟いても、返事は帰ってこない。
それでも、名前を呼ぶだけでラヘルとAと一緒に過ごした日々に浸れる様な気がした。
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あとがき
ここまで読んで下さった方、ありがとうございます…。
完璧に自分の趣味で始めたので、もしこの作品が誰かに届いていたら死ぬほどうれしいです😿
そして作品についてですが…やっとここから原作にがっつり絡みます！長らくお待たせしました〜！落ちは未定なのですが、逆ハー気味で皆に絡んでいけたらな、と思っています！
引き続き、一緒に楽しんでいって頂けますと幸いです！
よろしくお願い致します。
ちゃみっする
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作者名：ちゃみっする | 作成日時：2021年11月26日 20時
