出会いのち別れ8 ページ14
暫くして、ようやく組紐が完成した。ここまで長くも険しい戦いの日々だった...。
隠れながら、草の茎を細く切っているとラヘルが表れて何を隠したのか問い詰められるし、茎を乾かしている間にこっそり染色用の花を摘みに行こうとすると夜に見つかり1人で行くなと追いかけら...なかなか時間は無かったものの、ついに完成させられました！
『2人とも、少しお時間よろしいでしょうか！』
夕食を終えた後、片付けをしようとする2人を呼び止めた。
『こちら、いつも感謝になっているお礼です...。作るのに時間が掛かり、お渡しするのが遅くなってしまったのですが心を込めました...！良かったら、付けてみてください。』
2人の前へ、それぞれの組紐を手渡す。
黄色と藍色の糸で編んだ組紐はラヘルに、黄色と水色の糸で編んだ組紐は夜へ渡した。
「何を隠しているのか気になっていたけれど...ふふ、これを作っていたのね？」
「ありがとうA...！僕、大切にするよ...！」
ラヘルは渡した組紐を髪へ、夜は手首に着けてくれた。
2人とも似合っているし、何より喜んでくれたことが自分にとって嬉しかった。
「Aは...黄色と水色と藍色なのね」
ラヘルが私の髪紐を撫でていた。
内緒にするつもりだったのだければ...ばれてしまった様で少し恥ずかしい...
『えっと、これは...2人と出会えた証を残したいと思って、染色して余った糸から作ったの...』
気恥ずかしくて下を向いていたら、夜とラヘルが近くまで来て顔を覗き込まれた。
「私、Aがそんな風に考えていてくれて嬉しいわ。ずっと一緒にいましょうね！」
「A、僕たちもう家族みたいな存在なんだし、そろそろ敬語じゃなくてもいいんじゃないかな」
"お兄ちゃんの言うことをききなさい"といっているかのように頭を撫でられる。
『ふふ...そうだよね。私、これからも2人と一緒にいたいな』
3人で談笑しながら、温かい時間を過ごした。
知らない土地に居て、そこが知らない世界で本当に驚いたけれど...2人に会えたことは私にとって不幸中に見つけた大切な希望だったのかもしれない。
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食事も終わり、体を拭こうとした時に異変が起きた。
身体が徐々に内側から光り、熱い何かに晒されている様な気分になった。
『な、に....これ、一体...！！！』
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作者名：ちゃみっする | 作成日時：2021年11月26日 20時
