再スタート5 ページ10
『……大丈夫？他にもどこか診て欲しいところある？』
「い、いや特には……」
「おい栗夢、ちゃんと御礼くらい言えよ。」
ハッキリしない態度の坊主くんは栗夢って名前らしい。童話みたいで可愛いかも。
そう思っていると、潔くんが栗夢くんの肩を軽く小突いていた。
「イヤ、無理だろ！こんなかわいい女子に触られててフツーに接するのはムズいだろ！！煩悩舐めんなよな！？」
「ありゃ栗夢、Aの事変な目でみちゃってんの？でもざーんねん、お前じゃ釣り合わないよ♪」
いきなり立ち上がった栗夢くんにより、テーピングは強制終了された。まぁ、ほぼ巻き終わってたから良いけど…。
蜂楽くんは囃し立てながら私の肩に手を回してきた。海外のジュニアスクールではこのくらいの距離感もあったけど、ちょっと日本だと近すぎない…？
「蜂楽も栗夢もいい加減にしろよ。A、困ってんだろ。」
潔くんによりべり、と蜂楽くんと引き剥がされる。
「あ、あのさA……初めて会ったときの事、悪かった。
俺もテンション上がって、勝手に宣戦布告しちゃったっていうかさ…。」
世界一のストライカーになるのは、俺だ。
私の目を見て言い放った潔くんを思い出した。
『ううん、気にしてないよ。
ライバルって認められたみたいで、嬉しかったもん。潔くん、私の事対等に見てくれて、ありがとう。』
女子として見ないで、純粋にライバルとして見てくれたことが嬉しかった。笑顔でそう伝えると、潔くんも少し笑ってくれた。
「おい蜂楽、潔そろそろ戻んねーとやべぇぞ！」
「オッケ。A、栗夢の事ありがとな。」
『お安いご用だよ、何かあったらまた来てね！』
出ていく二人を見送ると、蜂楽くんがニコニコしながら近づいてきた。
「ねぇ、A。そーいや招集されたときさ"1on1"でも何でもやりますって言ってたよね？」
『うん。言ったけど…。』
「じゃあさ、今晩俺と1on1しよーよ。アンタの怪物に会わせてよ！」
本来私を女だからって理由で攻撃してくる人に分からせるために、1on1しますって言った。
けど、こんなにも自分とサッカーしたいって言ってくれる人が居たことに驚いた。
「それとも、やっぱり怖いなら辞めとこっか？」
『……残念だね、蜂楽くん。私サッカーの事になると、優しくしてあげられないから。
今夜は悔しくて眠れなくなっちゃうかもね。』
煽り返すと、心底嬉しそうな顔で蜂楽くんは笑っていた。
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koko(プロフ) - 冴がいるのはカナダじゃなくてスペインだった気が…？作品めちゃ面白いです！ (12月10日 10時) (
レス) @page17 id: 95a531e517 (このIDを非表示/違反報告)
乃愛(プロフ) - 夢主が、サッカーするのってあんまりないから嬉しいです！ (2023年3月16日 14時) (レス) @page25 id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
乃愛(プロフ) - 初コメ失礼します！夢主逆ハー大好きなので嬉しいです！無理せずに頑張ってくださいね！ (2023年3月16日 14時) (レス) id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
くちぱっち - 最高って言葉しか出てこないありがとうございます最高です (2023年2月28日 2時) (レス) @page25 id: fffe7db0be (このIDを非表示/違反報告)
himari20051117(プロフ) - ノエルノア現在最推しなのでありがとございます！ (2023年2月19日 23時) (レス) id: 60346321b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃみっする | 作成日時：2022年2月13日 1時
