捨てられた子供 ページ1
私には血のつながった家族が居ない。
物心ついた時には既に孤児院に居た。
周りの子供たちは私の事を「捨てられたジャパニーズ」って陰で呼んでる。
シスターが言うには、寒い冬の日に孤児院の赤ちゃんポストに私は入れられていたらしい。
それは雨の強い日で、孤児院の人は誰も私が赤ちゃんポストに入っているのに気づかなかったそうだ。
偶然通りがかったロードワーク中の青年が「ポストから泣き声が聞こえる」とシスターに言ってくれなければ、そのまま寒さで命を落としていたかもしれないという。
みつけてくれて、ありがとう。
そう思いながら寒空の下一緒にベンチの隣に座っている男性を見上げると、彼もこちらを見ていた。
『どうした、A、腹でも空いたか。』
「...ノアそれさ、いきなり女の子に言う言葉じゃ無くない？」
ジトっとした目で見つけると、やれやれといった感じで身体を救い上げられ膝の上に乗せられた。
「ジュニアスクールも卒業していないのに、一丁前にレディ気取りか？」
フン、と鼻で笑いながら頭をポンポンと雑に撫でられる。
『そういう意地悪言うから、彼女と長続きしないんだよノアは』
意地悪言われたんだもん、少しは仕返ししたっていいよね？
上を見上げると、私とは違った色の綺麗な瞳がこちらを見ていた。
「俺にはサッカーとお前が居るからな。大きくなったら結婚するって言ってたのはどこのレディだったかな？」
負けました。
ちょっと仕返ししてやるつもりだったのに、大きな反撃を貰ってしまった...。
『もう降参するから意地悪言わないで！
っていうかいつまで子供の時の事持ち出すの...恥ずかしいからやめて！』
「Aは、まだ子供だろ。俺にとってはいつまでたっても変わらないよ。」
『はいはい、分かったから！早く1on1しよ！』
恥ずかしい気持ちを抑えながら、ボールを持ってノアの膝から降りると、彼もそれに伴ってベンチから立ち上がった。
『今日は絶対ノアの事追い抜いちゃうかも！私ジュニアスクールでも一番強いんだから！』
「俺にそんな事言える馬鹿はお前くらいだ。さっさとかかってこい。」
さっき話していた青年とは思えない、威圧感を感じる目が私を射抜く。
その目にゾクゾクとした高揚感を感じながら、今日も私とノアの1on1が始まった。
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koko(プロフ) - 冴がいるのはカナダじゃなくてスペインだった気が…？作品めちゃ面白いです！ (12月10日 10時) (
レス) @page17 id: 95a531e517 (このIDを非表示/違反報告)
乃愛(プロフ) - 夢主が、サッカーするのってあんまりないから嬉しいです！ (2023年3月16日 14時) (レス) @page25 id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
乃愛(プロフ) - 初コメ失礼します！夢主逆ハー大好きなので嬉しいです！無理せずに頑張ってくださいね！ (2023年3月16日 14時) (レス) id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
くちぱっち - 最高って言葉しか出てこないありがとうございます最高です (2023年2月28日 2時) (レス) @page25 id: fffe7db0be (このIDを非表示/違反報告)
himari20051117(プロフ) - ノエルノア現在最推しなのでありがとございます！ (2023年2月19日 23時) (レス) id: 60346321b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃみっする | 作成日時：2022年2月13日 1時
