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第二十四話 ページ26

しかしそれをグッと飲み込み、口角を上げて愛想笑いする。





薬「心配せずとも、俺は大丈夫だ」





・・・もう慣れちまったんだ、この空っぽな愛想笑いもやせ我慢も。





それでも自分に嫌気がさすのは、まだ希望でもあるからだろうか。





無様なものだ、希望などただ絶望の味を深く味わうためのものだというのに。






・・・これ以上傷つく前に、早く・・・折れてしまいたい






「・・・大丈夫なら、もう少しマシな愛想笑いしなよ」







薬「・・・え・・・」






「顔、引き攣ってる。そんなので大丈夫なんて言われても、信じられるわけないでしょ。ていうか、弟全員重傷とか大丈夫なわけないでしょ」






淡々とそう告げる人間に呆気にとられる。





そしてそんな俺に、人間は肩を竦めた。






「・・・大丈夫じゃないなら、そう素直に言えばいい。僕にはそれを聞届ける義務がある」






自分の義務がそれだと言う人間に、きっと嘘偽りはない。






分かっているつもりだ、こいつがそういう人間じゃないことを。






でも、それでも、信じて何が今更変わる?






助けて、そう言えばお前は俺に何をする?






お前達のような非力な人間に、今更何が救える?






救えやしないだろう。






優しい言葉も、綺麗な言葉も、体温も、どれも全部すり抜けていく。






虚しさだけが残るのに、お前は俺に何を残せる?






薬「・・・人間、出来ねぇことは言うもんじゃないぜ」






僅かに震えた自分の声に、笑えてくる。






八つ当たりだって分かってるなら、最初から何も言わなければいい。






今まで通り、何一つ誰にも弱音なんて溢さずに、周囲から望まれ続けた薬研藤四郎であり続けることで僅かながらに救われてきたのに。






それでもこいつ相手に余裕がなくなるのは、こいつの言った通り、ここまで追い詰めてきた人間を見るたびに傷が疼いて仕方ないからだ。






薬「お前みたいな非力な人間に今更何ができる?何もできないだろう」







止まらない。違う、こんなの俺が惨めなだけなのに。






薬「お前だって人間だ!知ったような口を聞いても、人間だ!」






勝手に口が動く。ボロ、ボロと今まで強がっていたものが剥がれ落ちていく。







薬「何もできないくせに、傷つけて、罪を犯すことしかしないくせに・・・人間なんて嫌いだ!」







・・・張り詰めた空気に、自分の声がやけに響いた。

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そら 。(プロフ) - 続きが気になります!更新頑張ってください! (2019年2月14日 18時) (レス) id: a9f1236a4e (このIDを非表示/違反報告)
猫かぶり少女(プロフ) - これは……ヤバいですね( ・`д・´)続きがすごい気になります。更新遅くても全然いいので楽しみに待ってますね!応援してます! (2019年2月3日 21時) (レス) id: e93bca515e (このIDを非表示/違反報告)
- 更新がない…絶望した。 (2019年1月23日 13時) (携帯から) (レス) id: 46e1741f78 (このIDを非表示/違反報告)
月夜桜 - 続きが読みたいです。お願いします! (2018年8月1日 12時) (レス) id: d530b8b740 (このIDを非表示/違反報告)
- 続きが読みたいなと思いました。 (2018年7月7日 22時) (携帯から) (レス) id: 46e1741f78 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ナトル | 作成日時:2018年2月25日 0時

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