story.51 ページ15
｢名前は聞いたりしたらダメ？｣
｢…あー、｣
葉隠が、純粋に興味本位で聞いてきているのがわかる。でも悪い、そこは答えらんねーや。
｢悪い、俺が名前教えて彼女に迷惑かかったりすんのは嫌だからさ。｣
｢そっかー、じゃあこれ以上はやめとくね！｣
｢切島くん、優しいんやね｣
｢そうか？｣
少し控えめに、麗日は俺にそう言った。
優しい…んだろうか。
迷惑をかけたくない、と思っているのは紛れもない事実だ。そこは間違いじゃない。でも、思っているのはそれだけじゃないってこともわかる。
心のどこかで、名前を言ってしまいたいと思っている自分がいた。俺に彼女がいることがバレたんだったら、俺の彼女はAだって…
｢お前ら似たもの同士だな。｣
｢上鳴？何の話だ？｣
｢切島とAちゃんの話だよ｣
｢おまっ…！？｣
上鳴が俺の近くまで来て、ボソリとAの名前を呟いた。
まさか今このタイミングでAの名前を出すなんて思ってもみなかった。そのせいで思った以上に俺が大きい声をだして反応してしまい、周りのクラスメイトもなんだなんだと再度集まってきてしまった。
｢前に会った時に言ってたんだよ、切島と全く同じこと。噂が広まるのは別に嫌じゃない、でも切島にどんな形で迷惑がかかるかはわからないから…ってさ。｣
｢Aがか？｣
｢そう、Aちゃんが。｣
そんなこと、思ってたのか…。
このことについては二人で話したことは無かった、けど、まさかこんな形で上鳴から聞くことになるとは…。
俺ももっと、思ったことはすぐにAに伝えていこう、だから、Aもすぐに俺に教えて欲しい。
｢ありがとな、上鳴｣
｢お、おう…？｣
｢上鳴は切島の彼女の名前を知ってんの？｣
｢冬状A｣
｢えっ｣
｢俺の彼女の名前、冬状Aだ｣
｢そうなんだ…でも言って良かったの？切島｣
少し不安げに、葉隠と芦戸が聞いてくる。
俺とAが同じ意見だったって事は、少なからずお互い別に噂が広まるのは嫌じゃないってことだ。だったらもう、隠す必要ねーし、聞かれたら答えていいって事だ。
｢良いんだよ、Aも俺と同じ意見らしいし｣
｢そう…？｣
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アヤゴン(プロフ) - とてもおもしろい作品でした！切島くんに彼女がいたらこんな感じなんだろうな~っていうイメージがぴったりでした！キュンキュンしました。是非また名取さんの切島くん小説が読みたいです。 (2018年10月3日 16時) (
レス) id: ad1b6027dd (このIDを非表示/違反報告)
名取(プロフ) - ミルクさん» 信遅れてすみません、二人の、慣れていないが故に思うようにいかない初心者のような恋愛を書いていきたいと思っていたので、そう言っていただけて嬉しいです。本当ですか…私の他の作品が少しでもミルクさんの暇潰しにでもなれば幸いです。応援ありがとうございます！ (2018年6月10日 13時) (レス) id: 100ff026ee (このIDを非表示/違反報告)
ミルク(プロフ) - はじめまして！コメント失礼いたします。完結おめでとうございます！夢主さんが切島君の言葉や態度に一喜一憂する場面、逆に切島君が夢主さんの態度に一喜一憂するなど読んでいて本当に面白かったです！次の作品も読ませていただきます！これからも頑張ってください！ (2018年6月6日 20時) (レス) id: a44e70b828 (このIDを非表示/違反報告)
名取(プロフ) - パパラチアさん» なんというか、もう本当にうれしいです...作品のことを好きでいてくれるのは私もこの上なく嬉しいですし、何より書いてよかったと心から思えます。次回作も楽しんでもらえるようにコツコツ書いていきますね、コメントありがとうございます！ (2018年6月6日 20時) (レス) id: 535f9be42a (このIDを非表示/違反報告)
名取(プロフ) - Kasumi17さん» 楽しんでいただけたようで私も嬉しい限りです、今作だけに限らず他の作品まで見てくださってありがとうございます。「なぁ、先生。」のほうでも楽しんでいただけるように更新頑張りますね、ありがとうございます..！ (2018年6月6日 19時) (レス) id: 535f9be42a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名取 | 作成日時：2018年5月21日 1時
