隣で笑っていたい人【YouTuber】 (ページ2)

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ー入学式

入場中、誰かが私に小さく手を振っているような気がした。
たぶんあれは、中学の時の先輩であるモトキ先輩だ。目が合うと、ニッコリと笑って口をパクパク動かしていた。

『あ・と・で・き・て』

たぶん「後で来て」と言っている。先輩は中学のときから優しくて、私の憧れの人だ。そんな先輩と同じ学校に通っているなんて...奇跡すぎる...。

まぁ、ちゃんと入学できたのは、先輩が勉強を手伝ってくれたのもあるけどね。

生徒代表の言葉は会長であるひろむ先輩という方が行った。とても優しそうな先輩で、私の周りの女子達から「イケメン...」「カッコよすぎ」「私も生徒会に入ろうかな」という呟きが聞こえてきた。確かに、イケメンで芸能人にいそうな顔である。生徒会席に女子の先輩が多いのもそういうことだろう。

校長先生の話や学校生活での諸注意などが終わると入学式は閉式した。
退場は特になく、各自で座っていたパイプ椅子を片付けてLHRまでに教室へ行くようにするらしい。
私は椅子をすぐに片付けると、モトキ先輩のもとへ向かった。

「モトキ先輩！」
モ「Aちゃん！入学おめでとう!!うんうん、制服も似合ってていいね!」

先輩は中学のときよりも身長が伸び、大人っぽくなっていた。でも笑った顔は変わらず、可愛かった。

「ありがとうございます！先輩のおかげで入学できました。本当にありがとうございました。これからもよろしくお願いします!」
モ「いやいや、Aちゃんが頑張ったからだよ。こちらこそよろしくね。」

シ「モトキー、何やってんだー？ん？その子って...」
モ「あっ、シルク。この子が例の後輩、Aちゃんだよ。」
シ「君がAちゃんか～。モトキから話は聞いてたよ～。俺はシルクって呼んでくれ。よろしくな!」
「はいっ、よろしくお願いします!」

シルク先輩...モトキ先輩から何となく話は聞いたことがあった。遊びに行く時はいつもリーダーで、なんでも、心霊体験の数が豊富だとか。。。すごいなぁ。

小「おーい！Aちゃーん！そろそろクラス行こー！」
「あっ、うん！...えっと、お先に失礼します。」
モ「分からないことあったら聞きに来ていいよ～。じゃーね！」
シ「またな～」

私たちは、見事に3人同じクラスだったので安心した。また中学の時のように仲良く過ごせることはとても嬉しい。

ただ、中学のときのようにいかないことがあることを私はまだ知らなかった。

……To be continued