＜BROTHERS CONFLICT＞Natsume with broken‐hearted girl -Final (ページ17)

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#45 ページ17

棗『で、どういう事なんだ…あのキスも俺のせいだっていう事も。俺は全く心当たりが無いんだ…きちんと教えてくれ。』

梓『・・・最低だね。』

棗『は…？』

梓『本当に心当たりが無いの？彼女はあんだけ苦しんでたのに！？彼女の話を聞いたところ、確かに君は知らなかったと思うよ？でも、彼女の行動とか君に接する態度とかに違和感あると、君は思わなかった訳！？人を好きになってその人の前じゃ冷静にはいられない事ぐらい君は分らなかったの！？』

監督「はい、OKー！」

収録2日目。
今日は彼女のシーンとこの前、俺が休んだ分を収録することになった。

梓曰く、椿は今日他の仕事が入っていて来れなかったらしい。

梓「お疲れ様、棗。」

棗「あぁ、お疲ｒ(梓さん、棗さん、お疲れ様です！」

...A

梓「うん、君もお疲れ様。」

「はい♪棗さんも(微笑み」

棗「あ、あぁ。お疲れ...」

梓「それにしても棗、本当に声優の仕事って初めてなの？」

棗「え？」

「私もびっくりしました！凄い演技上手で見てるこっちは目が離せませんでしたよ！！」

棗「あ、うん。ありがと...まぁ、家で軽く台本に目を通してるだけなんだがな(苦笑」

「へぇ。私なんて毎日必死に練習してるんですが中々上手くいかなくて(苦笑」

梓「そんな事ないよ。君だって僕たちと同い年だけど、入ってきたばっかりなのにスタッフやキャストの先輩達を凄い釘付けにしてる。それって、皆が君の実力をきちんと認めてるってことだと思うけど？(微笑み」

棗「俺も、仕事で色んな声優を見てきてるけどお前の演技とか見てる限り新人なんて思わせないようなハッキリしていて前向きな演技だと伝わってくるけどな(微笑み」

「...ありがとうございます///」

棗「......」

彼女のこういう顔を見ると何とも言えない気持ちになってしまう。

一緒に仕事をしていた時も、こうして誰かに褒められるとすぐに顔を赤くして照れたりしていた。
俺は彼女のそんな顔を見るたび夢中になって目が離せなかった。

けど、今目の前に居るのはあの頃の彼女とは程遠い。この前、梓からメールで伝えられたことは今日改めて彼女を目にして分かった気がする。

けど、今照れたように完全にあの頃の彼女が消えた訳ではない。
だから、余計に諦める気はしなかった。

棗「...A！」

「はい？」

棗「この後...2人で食事にでも行かないか？(微笑み」

今日、全て彼女に話そう。

俺の気持ちも真っ直ぐハッキリと。