＜BROTHERS CONFLICT＞Natsume with broken‐hearted girl -Final (ページ14)

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梓side

本番1日目。棗が体調を崩したせいで今日は急遽彼女のシーンをすることになった。まだ、新人と言うのに彼女の演技はどんどん上達していくようで、今日は僕達スタッフ一同の目を釘付けにした収録だった。

収録が終わった後、僕と椿と彼女で帰り道の別れまで話をした。
主に今日休んだ棗の話を彼女は顔色一つ変えず話していた。きちんと棗のことは振りきれたんだね？と彼女に説うと、迷いなく僕と椿に向かってあの綺麗な真っ直ぐな目で今までのことを短く話してくれた。

余りにも正直で今までの彼女と思えない程ハッキリとした口調で伝えてきたので、僕と椿は思わず面喰ってしまった。そして、彼女は少し焦ったようにまた説いてきた。
思わず口元が緩んでしまったけど何とか思ったことを口に出さないように、曖昧な返事にはなったけど、どうにかその場を彼女との分かれ道まで耐えることが出来た。

椿も口には出さなかったけど、あの人は顔にすぐ出すから彼女にしつこく問われていた。
けど、多分...いや確実に僕と思っていることは一緒だろう。

何だかんだ言いながらも僕達双子は三つ子で弟でもある棗のことを考えてしまう。
彼女のことを棗に話してから、棗は今まで以上に変わった。
棗は今どんな気持ちかは流石に椿と僕でも分からない。けど、棗はもう一度彼女に好かれようと必死に頑張っていることぐらいは見てて分かる。

それを、今は椿と僕が支えているつもり。
恨んでる訳ではないけど、僕に関しては彼女に棗のことで振られている。だから、あの二人がくっついてもらわないと僕は今後、棗に何をしてしまうか分からない。

けど...

梓「棗、ヤバいんじゃないのかな(クス」

椿「あ～やっぱり、梓も同じこと思ってたんだ(ニコッ」

梓「まぁね。彼女が元気になったのは嬉しいことだけど、あそこまで元気になっちゃうと漬け込む隙が無いんじゃないのかな(クス」

椿「さっきから笑ってっけど、梓的にはあの二人にくっついてもらわないと後味悪いんじゃないのか？」

梓「流石椿、何でもお見通しだね。まぁ、彼女があそこまでいくと僕たちも手助け出来ないし後は棗自身に頑張ってもらうしかないね。最終的に上手くいかなくても棗は一生僕の奴ｒ...言う事を聞いてもらう人になってもらえば良いしね(微笑み」

椿「うっわ、ドンマイだな棗(笑)」

まぁ、棗は何が何でも彼女を手にすると思うけど...
最後の手助けと思いその日家に帰った僕は棗にメールを1通送ることにした。