本日ハ雲天ナリ・・・63 ページ17
side薬研
しばらくの間、乱と二人で桜を見ていると、
乱「・・・ねえ薬研、」
乱がこちらを向く。
薬研「・・・ん?」
乱「ボクさ・・・様子見とか言って・・・・・・本当は、確かめたかっただけなんだ。」
薬研「・・・・・・確かめる?」
乱「うん。・・・あの人は、ボクたちを守ってくれるのかなって」
薬研「・・・・・・」
何も言わずに聞いていると、
乱「・・・でも、確かめる必要なかったみたい。ずっと怯えてたのが馬鹿みたいだよ。」
薬研「・・・!」
横を見ると、乱の頬に涙がつたっている。
乱「ねえ薬研、・・・っボクら、また・・・・・・・、いち兄や皆と・・・笑って、遊んだり・・・出来るのかなぁっ・・・?」
ポロポロと涙を零す乱の頭を、少し雑に撫でる。
薬研「・・・あぁ、あいつなら・・・俺らの願いも叶えてくれるだろうよ。」
_______________________
三条の皆は、ひとしきり桜を鑑賞すると、一人、また一人と帰っていった。
・・・が、いつまでもその桜を見ているやつが一人。
薬研「・・・三日月の旦那はどう思う・・・?」
三日月は、ゆっくりとこちらに顔だけ向ける。
三日月「・・・どう、とは?」
薬研「そのままの意味だ。・・・あいつを、今後どうするつもりでいるんだ」
すると、三日月は
どこか困っているような、なんとも言えない顔で
三日月「・・・・・・分からない。・・・なにか、これで分かると思ったんだがなぁ・・・」
と、また桜を見やる。
(・・・・・・どういう事だ・・・?)
三日月はそれだけ言うと、静かに部屋に戻る。
薬研「おい、ちょっと・・・」
呼びかけても、応答してはくれなかった。
・・・
それから、乱が落ち着くまでそばに居た。
今の状態で部屋に戻ったら、
乱を見たいち兄がどんな行動に出るか予測できない。
多分、今のいち兄に何を言ってもほぼ無意味だ。
俺と乱が審神者側についたところで、それだけでいち兄の心を変えることは出来ない。
(それほどいち兄は追い詰められてんだ・・・俺たちが何とかしないと・・・。)
そう小さく決意していると、
乱「・・・薬研、ありがとう。もう大丈夫だよ。」
薬研「おう、そっか。んじゃ、戻るか・・・すっかり夕方になっちまったな。」
そして俺たちが本丸に戻った時、
廊下に「あいつ」が倒れていた。
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よぺ(プロフ) - 鳳李千歳さん» 私ももう趣味の一環として書いているので、全然苦ではないですよ(笑)。楽しんでいただけているのなら、本望です(*^^*)。まあ、程々に頑張ります! (2020年3月27日 18時) (レス) id: e6cb5ae321 (このIDを非表示/違反報告)
鳳李千歳(プロフ) - やはりとても面白いですが、無理はしないで下さいね? (2020年3月27日 13時) (レス) id: 94a41c4f40 (このIDを非表示/違反報告)
よぺ(プロフ) - 鳳李千歳さん» わああ!ありがとうございます┏○┓。そうですね、結構序盤で長めに使ってしまったので、伊達のお話が終わったら、長谷部くんとかの絡みを作りたいと思います!千歳さんの小説が出来たら読んでみたいですね!ご意見ありがとうございます! (2020年3月27日 7時) (レス) id: e6cb5ae321 (このIDを非表示/違反報告)
鳳李千歳(プロフ) - とても面白かったです!一期か、へしべ(圧し切り長谷部)、亀甲と夢主ちゃんの絡みがほしい…。というか夢主ちゃんとっても可愛いです!!僕もこんな小説書けるようになりたいです!尊敬しました!ぜひ体調に気を付け頑張ってください!!!応援してます! (2020年3月27日 3時) (レス) id: 94a41c4f40 (このIDを非表示/違反報告)
よぺ(プロフ) - Λさん» ありがとうございます!そう言って頂けてとっても嬉しいです(*´ω`*)。完結までは頑張りたいと思いますので、これからもよろしくお願いします! (2020年3月26日 19時) (レス) id: 737a10364d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よぺ | 作成日時:2020年3月24日 9時