28話 ページ28
Aside
「昨日は、勘違いをしてしまって申し訳なかったです」
本当に申し訳なさそうに、困ったように笑うレイカ。心の中で何を思っているかどうかなんて知らないけど、今だけは心から思うことが出来る。
ああ、適わないなあ。
こんなにも可愛かったら、そりゃあ誰も放っておかないよなあ。
大丈夫ですよ、なんて笑って見せたが、本当は全然大丈夫なんかではない。大丈夫である訳が無い。
そうですかと言ってそのまま、何も言わない彼女が何を考えているかは分からない。
彼女が1人で居るのは珍しいなあ、と。そんな風にぼーっと考えていた。
「え、」
「きゃっ、」
突然、視界の端をキラリと光るものが通り過ぎていく。
「い、たっ、」
彼女の髪がふわふわと揺れた。可愛らしい、だけど切羽詰まったような声と共にドサリと、地面に倒れる音がした。まだ正常に動こうとしない頭をフル回転させて、何が起こったのか理解しようとする。
視線を彼女の方へ向けると、彼女の白い頬には1本の赤い線が出来ており、地面に尻餅をついていた。
「レイカさ、っ……！」
彼女に駆け寄ろうとしたのと同時に、近くの茂みからガサリと音がする。
……これは、かなりやばいかもしれない。
ゾムかもしれないとも一瞬考えたが、違う。
悪戯好きなゾムが幹部に突然凶器を投げたり、見えないところから飛び出してきたりするという話はこの城に長く住んでいれば誰もが知っている。
でも、彼は幹部なら避けられる、驚くだけで済むとわかっているからやっているはず。
まさか彼が城に遊びに来ている令嬢にミスで当ててしまった、なんてことあるはずがないだろう。
そして、直感的に分かってしまった。それが狙っているのは私ではない、彼女であると。
幹部の婚約者となれば狙われることだってある。だから安全のためにも城に住んでいるわけで。だけど違う。その、それの殺気は明らかに彼女へと向けられていた。
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秋人(プロフ) - パスワード掛けても公開して下さってありがとう御座います。本当に好きなお話なのでうれしいです。作者様に無理のないように過ごして下さい。 (2022年3月12日 23時) (
レス) id: 3a6567d6ac (このIDを非表示/違反報告)
よにん - 前に見かけてまた見たいと思っていてまた見れて嬉しいです。応援してます！ (2020年6月24日 15時) (レス) id: 3491a11aac (このIDを非表示/違反報告)
鬼雷 - 初コメ失礼します!少し前に見つけてひっそりと応援しておりました!ストーリーが凄く好きで先が凄く気になります!作者様のペースで頑張ってください!更新されるのを楽しみにしてます!完結まで追いかけます!頑張ってください! (2020年6月24日 0時) (レス) id: 15f01a3427 (このIDを非表示/違反報告)
りんご飴(プロフ) - 茄子さん» 教えてくださりありがとうございます！！これからも頑張ってください！！他はもう素敵な話ばかりで読み入ります！もしもあったら聞かせてもらいます…！ (2020年6月17日 19時) (レス) id: c59a6d75f0 (このIDを非表示/違反報告)
茄子(プロフ) - りんご飴さん» コメントありがとうございます！ありがとうございます！泣きます(；；) 手首を掴んだのはsypさんです！いえいえ、分かりづらかったかもしれません……。ごめんなさい(；；) 分からないところがあればジャンジャン聞いちゃってください！ありがとうございました(^_^) (2020年6月16日 20時) (レス) id: 8809630e87 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茄子 | 作成日時：2020年4月6日 21時
