家に帰ったら推しに剣を向けられたんですが (ページ10)

今日:82 hit、昨日:100 hit、合計:27,366 hit

第10話ページ10

五十音表に関しては家のリビングの壁に貼ってあるし、漢字ドリルは彼の書いた字で埋め尽くされていた。ノートでも渡せば良かったかなって思ってその次の日にノートを買い与えたら、1日で1冊のノートがサヨナラしていた。

「…。」

「他にも欲しいものがあったら遠慮なくカゴに入れてね。全部買うよ。」

「それは…いや、君に甘えさせてもらおう。なら、これとこれ、あとこれも。」

アルハイゼンの様な綺麗な男が絵本に食い入るように視線を向ける姿は、少し面白かったし可愛かったけれど、ずっとそうしている訳にも行かないので、じ〜っと穴が空きそうなほど色んな絵本に視線を向ける彼に、きっとどれを買おうか悩んでるんだろうなと声をかけたら、彼は一瞬考え込んだが最終的に私の言葉に甘えてくれて、そこからは遠慮なしに本をバサバサとカゴに入れて行った。

「満足した？」

「あぁ君のおかげで、納得のいく買い物ができた。」

あの後他のコーナーも回って、そこそこの値段がするぐらいに本を買って本屋を後にした。幸いにも貯金はしてるし、推しに貢げるなんて早々無いので、私も満足のいく買い物であった。

推しの嬉しそうな顔(彼の場合は雰囲気だが)が見れたので、何もかもOKです。と私の中の幸せニキが笑顔になったところで、腕が痺れそうになるくらいの重さの袋を、軽々と持っていった彼に、ひょ〜…かっこいい…強い…。と貧相な語彙でトキメキを主張したら、軽く彼が笑ったので、私の命はそこで尽きたのであった。