家に帰ったら推しに剣を向けられたんですが (ページ8)

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第8話ページ8

何やかんや、時計は10時を示していて、定時退社失敗を意味した。今日こそは定時退社してやると意気込んだは良かったが、そう簡単に仕事が進むわけがなかったのだ。

彼が持たせてくれた弁当が無かったら、私は今日死んでいた。絶対。お弁当本当に美味しかった。料理まで出来ちゃうアルハイゼン…推せる…もう推してたんだけど…。

くだらないことを考えながら、自宅に到着して鍵を開ける。そのまま体を滑り込ませて、ただいまぁと声を出す。

すると、リビングの扉が開いて、男の姿が現れる。

「お帰り、どうやら今日も忙しかったようだな。ご飯はできてるよ、お風呂もあっためてあるから、君の好きなようにしてくれ。」

「アルハイゼン〜…本当にありがとう…毎日助かるよ〜疲れた体に染みる…。」

「くだらないことを言う元気があるようで何よりだ。…俺はもう寝る。君も早く寝ることだ。おやすみ。」

「うん、ご飯食べてお風呂入ってすぐ寝るよ。おやすみアルハイゼン。」

バッサリと自分が言いたいことだけ言って、彼に与えた部屋に入って行く彼を見送って私もさっさと寝るために彼の作ってくれたご飯を食べるために席に着く。

わざわざ私におやすみを言うだけに起きていてくれるアルハイゼン、可愛い、推せる…。じ〜んと心が暖まるのを感じて、私は思わず涙が出そうになるのを堪えて一人きりの暖かい食事を楽しんだ。