家に帰ったら推しに剣を向けられたんですが (ページ19)

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第19話ページ19

あれから後輩の動向が全く掴めず、警戒はしていたものの、後輩は私の前に現れず、むしろ別の場所に飛ばされたらしくて、これはもう一生会うことが無さそうだとぼんやり思った。

「なんか、後輩くんどっか飛ばされたっぽい。」

「そうか、良かったな。」

「アッサリしてらっしゃる…。」

「それは君もだろう。」

モリモリと白米茶碗に盛られた白米を頬いっぱいに詰め込んで食べていると、ゆっくり食べろとお叱りを受けてしまい、大人しくゆっくり食べることにする。

「所で、アルハイゼンちゃんとモールス信号分かってくれてて助かったよ。一緒にテレビ見てる時に流れてたから、覚えてるだろうなって試してみて良かった！」

「そうか。」

「アルハイゼンがドンドン現世に染まりきってしまう…！！！！」

「なにか不都合でもあるのか？」

「い〜や全然！ハイスペ書記官殿流石です。」

おかわり！と彼に茶碗を差し出すと、彼はそれを受け取って横にある炊飯ジャーから白米をよそってくれる。そして、それを私の手に持たせてくれて、ありがとうとそれを持っていこうとすると、手を離してくれない。

「あの…？」

「…君の前では、書記官なんて立場はなく、ただのアルハイゼンでいたつもりなのだが。」

「………かわ…いすぎる………わ、アルハイゼン、アルハイゼン…アルハイゼンだよね、書記官じゃないもんね…。」

「分かればいい。」

アルハイゼンが可愛すぎてお米の味が殆どしなかった。