家に帰ったら推しに剣を向けられたんですが (ページ18)

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第18話ページ18

「…あぁ、君が、最近先輩の家に入り浸ってる人？？？？良くないんじゃない？人の彼女の家にズケズケと。」

「彼女から聞いたことは無いが、君と彼女は恋人関係なのか？」

「違うけど…ただの後輩…。」

「だそうだが、過度な妄想は見ていて気持ちがいいものでは無いな。君には今すぐ認識を改めて貰う必要があるようだ。」

「チッ、煩いなぁ、ホント、お前のせいで僕の計画が台無しじゃないか。」

イライラしたように頭を掻きむしる後輩は、今まで会社で接してきた彼の面影は無くて、怖い。と純粋に思った。

ギュッとアルハイゼンの服を握ると、彼は優しく手を重ねてくれて、緊張がほぐれる。

「少しだけ待っていてくれ。」

そう言われて、私はひとつ頷くと彼から少し離れる。それを見た後輩がこっちに駆け寄ってくる。

だがそれを見逃す彼じゃない、アルハイゼンは後輩の腕を掴んで背負い投げをすると、痛みに追いつけなかった後輩が直ぐに意識を飛ばしたのがわかる。

念の為彼が近づいて確認するが、起きる気配はなく、本当に気絶してしまったようだ。なんというか、呆気ない幕引きである。

「で、コイツはどうするんだ。」

「警察に突き出すけど…アルハイゼンの姿見られると面倒だよね…かと言って私一人だけ現場に残るのも…でも連れてかないとまた普通に会社に出勤してきそうだし…。」

「やはり、身分を証明するものがないと不便だな。」

「本当にね…。まぁいいや、取り敢えず通報だけしておこうかな。」

「無難だろうな。」

決めたが即行動、すぐさま警察に電話をかけてあらかたの住所を伝える。それから電話を切ったらその場から離れて普通に帰宅をした。

「警察が来る前に起きてたらどうしよ。」

「念の為明日は俺が送り迎えをする。」

「え、いいの？」

「あぁ。寧ろ、断るのは許さないからな。…さて、それでは、こうなった理由を話してもらおうか。」

ギロりと睨まれて、空気が一変した。後輩にナイフを向けられた時よりも怖い気がするのは、気の所為だろうか。いや、気の所為じゃないだろうな。

半泣きになりながらことの事情を説明すると、彼はそれはもうおおきなため息をついて、今度からは早めに報告しろ。報連相だといつも君が言ってるだろう。とド正論を噛まされてその日は就寝したのである。