家に帰ったら推しに剣を向けられたんですが (ページ17)

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第17話ページ17

あぁ、悲しいなぁ…と思ってもないくせに言う後輩を他所に、私が刺されるまでにアルハイゼン間に合うだろうかとか考える。

考えていたら、顎を掴まれて、後輩くんと目線が合わせられる。

「他の男のこと考えてたんですか？」

「うん。」

「はぁ〜…僕、先輩のそういう素直なところ、大好きですけど、大嫌いです。」

「よかった、そのまま大嫌いになってくれて構わないよ。」

「もう、なるわけないじゃ無いですか。」

あぁ、この台詞を言っているのが、ストーカー後輩くんじゃなくて、私の好いている人だったらなぁ、ドキドキで堪らなかったんだけどなぁ。まぁ今も色んな意味でドキドキはしているが。

「と、いつまで経ってもここで話しててもしょうがないですよね。夜とはいえ、いつ人が通るか分からないですし。」

別のところ、行きましょうか。そう言って後輩くんがナイフで私のお腹を貫こうとした時。

ガキン！と鋭い音が鳴って、後輩くんが私から離れる。一瞬何が起きたのか分からなくて、地面に倒れ込みそうになったと思ったら、私の体は力強く誰かに抱きしめられた。

その誰かは考えるまでもなく。

「あ、アルハイゼン…。」

「怪我は？」

「う、あ、特に、無い…です…。」

「そうか、ならいい。事のあらましは後で沢山聞かせてもらう。今は大人しくしていてくれ。」

そう言って私の頭を一撫ですると、彼は目の前を見据えた。