家に帰ったら推しに剣を向けられたんですが (ページ13)

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第13話ページ13

なんだか、やけに視線を感じる。不自然じゃ無い程度に振り返ったりするがそこには誰もいない。しかし、前を向いたらまた視線を感じるのだ。

尾けられてる。流石の私も気が付いた。だが、なぜ私なんかを。理由はなんでもいいが、気持ち悪いので早々にやめて欲しいところだ。

視線を感じるようになったのは1週間前くらいから、最初は気のせいかと思ったのだが、3日目辺りから疑い始めて、昨日あたりに確信した。ストーカーされていると。

それにしても随分と尾けるのが上手い人だ。視線は一丁前に感じるが、その姿を目視したことはない。いきなり振り返ったりだってしてるのに…。もしかして、私をストーカーしてるの幽霊…？なんてくだらないことを考えるくらいにはまだ余裕はある。

だが、世に出回っている話では、ストーカーに殺されてしまった、みたいのもよく聞く。私はそれの当事者になりたくはない。早々に何とかしなければならない。それにはまず。何故私なんかをストーカーしているのかが知りたい。

姿さえ分かれば、誰だかさえ分かれば、ストーカーされている理由も多少なりとも分かる気がするのだが。まじで知らない人だったら終わりだけど。

視線は決まって、職場から浴びせられる。初めの2,3日は最寄り駅に着いたら消えていたけど、最近はもう家に帰るまで視線の主と一緒状態だ。

本来なら自宅の場所がバレる前に何か行動を起こすべきなんだろうが、怠惰な私は、それが出来ずにいた。後々後悔するのは自分のハズなのに、分かってるのにな…とか考え込んでいると、いつの間にか自宅に到着していたようだ。

鍵を取り出して玄関を開けて、最後に後ろを振り返るが誰もいない。はぁ…と1つため息をついて家に入る。

「ただいま〜！」

大きな声で帰宅を告げると、リビングの扉が開いて彼が顔を出す。

「おかえり。今日は早い帰宅だったな。」

「珍しく仕事が早く終わったんだ〜！」

「そうか、丁度夕飯ができたところだ、すぐ食べるだろう？」

「もちろん！！いいタイミングで帰ってきちゃったな〜。」

先程までの気分はどっか行って、ルンルン気分で手洗いうがいを済ませると私は席に着いた。