第12話 ページ12
「ふふ、シャキンとしたアルハイゼンになった。」
「君も寝起きはあんな感じだよ。」
「えっ、嘘！私あんなに寝癖酷い！？」
「あぁ。」
我ながら失礼なことを言ってるなとか思ったけど、彼も自分の寝癖が凄いことの自覚はあるらしく、突っ込まれなかった。
軽口も程々にお互い手を合わせると、早速ご飯を食べ始める。
「…ドレッシングを変えたか？」
「そう！分かる？？」
「うん、前のも美味しかったが、これも美味しいよ。」
「良かった。今までアレだったからたまには変えて見ようかなって買ったはいいけど、急に変えたらアルハイゼン嫌かなとか思ってたから。」
「君が心配するほど、俺は食事に対して煩くないよ。料理は美味しければそれでいい、そう思わないか？」
「そう思います。」
「だろう。」
そんな、ほんわかな雰囲気なまま食事をしていると、先に食べ終わった彼が食器を持って台所へ向かう。
それを流れるように見ていたら、君のペースで食べるといい。って言ってポットを手に取った。
「牛乳増し増しがいいです。」
「分かっている。」
「さすが〜。」
食後のコーヒーでもキメるつもりだとそれに便乗すると、彼はさも当たり前のように私が言ってる間に牛乳を用意していて、キュッとなった。
もそもそと朝食を食べきって空いた皿を台所に持って行くと、皿を取られて代わりにコーヒー牛乳増し増しが入ったカップを手渡される。
「先程は言い損ねたが、朝食ありがとう。美味しかったよ。」
「えへへ、どう致しまして。アルハイゼンもコーヒーありがとう！」
「うん、どう致しまして。」
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作者名：やたお | 作成日時：2023年8月21日 0時
