ネタ置き場 (ページ17)

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理性的な男ページ17

彼はいつだって理性的な男だった。

私の事が好きなくせに、私が誰と話してようと何も言ってこないし、私が布面積が少なめな服を着て迫ったって手を出してこないし、酔ったフリをしても律儀に家に返すだけだった。

おかしい、私の事が好きなはずなのに。もしかして彼はそういう感情を抱かない人なのかもしれない。そんなことを考えた矢先。

チュッと軽く触れただけだった。人とぶつかって体制を崩して、たまたま触れてしまったのだ。一瞬だけでもわかる、その柔らかさに目を見開くと、次の瞬間更に驚く光景を目にした。

ギラギラと輝く、隼のような目をした男が居た。

なんだ、そんな顔、出来るんじゃないか。

次の瞬間にはその顔は鳴りを潜めていて、大丈夫かと声をかけてくる。

あぁ、剥がしたい、その理性の下の顔を見たい。

ゾクゾクと背筋に微量な雷が走るのがわかる。

「…絶対に、見てやる。」

そんな私の声が聞こえたのか否か、彼は目を細めて歩みを進めた。